どうやれば特許権が取れるか・・・???



 始めに
 どうやれば特許権が取れるか?

 について考えて見ましょう。




 特許権は、

 目的、構成(構造や組合せ)、作用(動き)、効果が違えば、別の権利です

 目的が違えば、構成、作用、効果が違ってきます。

 目的が同じでも、構成が違えば、少なくとも作用が違います。

 目的、構成が同じでも、構成の組合せ方や組合せ順序が違えば、作用や効果が違ってきます。

 目的、構成、作用が同じでも効果が違えば、特許権の可能性があるのです。


 例え、一つでも良い。

 今までの特許出願(特許権だけではない)に書いてないことを加えてください

 それが、特許権になる出発点です。

 たった 一つで良いのです。

 今までにない 新しいことを!

非まじめ発創事例


 【まじめ発創法】による具体的事例を取上げます。


 『管接続具』の事例は、大企業の数十件の特許出願があるにもかかわらず開発した数件の内の一件を取上げました。


 『調理鍋のハンドル』は、フランスのクリステル社の日本特許の他に数十件の特許出願と特許権がある中、こちらも数件の案を考えたうちの一件を取上げました。



 何れにしても、私共がお客さんに提案する場合は、[必ず、特許権を獲得できる]と言う確信の下で、ご提案しています。



 むやみやたらに[提案すればよい]と言う無責任な姿勢は取っておりません。

 残念なことは、現行の特許制度のもとでは、100パーセントの保証はできない点です。


 アドバイスをする場合であっても[私共の商品であったら、こうする]と言う考え方でアドバイスします。




 無責任な商品提案や、無責任なアドバイスは、致しません

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事例1 「管接続具」


 管接続具は、古河電気工業(株)、未来工業(株)、松下電工(株)、東洋化工(株)を始めとする大企業が数十本の特許出願をしています。

 中でも未来工業(株)が出願の大半を占め、販売実績でも同社が市場を制覇しているようです。



 「管接続具」は、配線を壁やコンクリート内に埋めるための配管が、室内やコンクリートの表面に出たところに取付け、配線の方向を変えるために蛇腹管を差込んで使用するものです。

 下の図は、4社の出願から1つづつピックアップしたものです。

先行例1先行例1.gif  先行例2先行例2.gif 先行例3先行例3.gif 先行例4先行例4.gif


 先行例2(特開平7−231533)の【要約書】の【目的】には、
 「誤って接続された管を容易に取り外すことができる管接続具を提供する」とあるように「管接続具」に蛇腹管を差込むだけで固定できる上に、蛇腹管が誤って差込まれたときに簡単に抜取れるようにしたものです。



 後で提案例を使ってもっと細かく説明しますが、これらの「管接続具」は、キャップの中央の孔に蛇腹管を差込むと、「管接続具」内の小さな係止突起が蛇腹管の外周の溝にはまりこんで蛇腹管を抑えるため抜けなくなります。

 この蛇腹管を抜くときは、キャップを少し回動するとかねじ込むと、小さな係止突起が蛇腹管の外周の溝から外れて抜けるようになっています。



 このような状況の中でB社から相談を受けました。

 相談の折には、未来工業(株)と古河電気工業(株)のサンプル持参で、特許公報も提示されました。



 これに対し私たちは、例によってサンプルと特許公報を「ジックリと観、目的の追求」を始めたのです。

 2週間後に第1次提案をしたのが、後で示す図です。

 引続き第2次、第3次提案と1週間ごとに構造の違う提案を続けました。



 しかし、B社には私たちが提案した図面さえ読むこともできない様子です。

 図面を詳細に説明しましたが、それでも理解できない様子でした。

 そして、最後に言われたことは、

 「当社にこの図を設計することができない。不可能だ。」とのことです。



 技術者もおらず、理解できないものを設計することは不可能ですね。

 B社には、樹脂加工の十分な設計技術も、製造技術も無いと判断いたしました。



 なぜそう判断したかと言いますと、従業員50名ほどの別の取引先にこの図面を見せたところ、10分ほど図面を見ていた社長さんは、

 「中々難しい技術ではあるが、図面のこの部分は金型をこう処理し、この部分はこう処理するとできる」と即座にお答えになりました。



 私の想像ですが、B社には、私共の提供した案を技術的に理解できなかったのでしょう。

 従って、B社からは、このような技術的な話は、でたことがありません。

 ところが、何処でどう聞いてきたのか、京都のK社から問合せがありましたが、K社もB社同様、図面を理解できない上に、単に情報を聞き出したいだけと言う姿勢がありありでした。



 このK社は、私共が考えた「管接続具」の情報を引き出すようX社から依頼されたものと思われます。

 と、申しますのは、その寸前に、興信所から聞き取り調査が入っていました。

 信用調査というよりは、「私共の商品開発力」に対する聞き取り調査だけだったのです。

 日本の企業は、このような調査に経費をかけますが、他人の開発した特許権を買い取ろうと言う姿勢は全く無いのも日本の企業の特徴です。





 「管接続具」 第1次提案図いよいよ本題です。

 次の「管接続具」の第1次案を見てください。

 「管接続具」は、壁やコンクリート内に埋められた配線が、室内やコンクリートの表面に出たところで配線の向きを変えるために使用するものです。

  図1接続具1.gif   図2接続具2.gif

  図3接続具3.gif   図4接続具4.gif


 図1を見てください。

 上方に示されたのが蛇腹管です。

 中央が「管接続具」で、この「管接続具」の下端にあるギザギザは、ネジ溝です。

 このネジ溝を壁などに埋められた配線管に接続します。

 図には示してありませんが、配線管の中には配線が入っています。



 次は、図2を見てください。

 「管接続具」は、下側の本体と、上側のキャップの2つの部材からなっていることが分かります。

 図1と見比べると「管接続具」の上の方が少し持上げられています。



 このように本体にキャップが上下動できるように取付けられているのです。

 図が小さくて少し分かりづらいのですが、キャップの中央には、少し湾曲した突起が2本吊り下げられています。

 この湾曲した突起は、3本以上の突起で、キャップの中心から放射状に並んでいるのです。



 そしてこの湾曲した突起の下の部分に内側に向った小さな突起が設けられています。

 後でもう1度説明しますが、この内側に向って設けられた突起が蛇腹管の外周の溝にはまり込んで蛇腹管を固定するのです。

 この湾曲した突起は、図1と図3では垂直に吊り下がっていますが、図2では先端が少し内側に傾斜し、図4では逆に外側に傾斜しています。

 この点が特許権として重要な意味を持つのです。



 もう1度、図2を見てください。

 キャップを少し持上げた状態でキャップの孔に上方から蛇腹管を差込みますと、蛇腹管の先端が、湾曲した突起の先端部の内側に向った小さな突起に当たります。

 そして本体の中心部の上端には、湾曲した突起の先端内側の傾斜面と反対の傾斜面が設けてあります。

 蛇腹管を更に押し込むと、この小さな突起が本体に向って押し下げられるに従ってキャップ全体が本体に接近します。



 更に、蛇腹管を押し込むと、この湾曲した突起に最先端の内側は傾斜面になっていて、本体中央部の上端面の反対方向の傾斜面に沿って湾曲した突起の先端部が押し広げられ、内側に向う小さな突起が蛇腹管の先端部の太い部分を乗越えて蛇腹管の先端部の最初の溝にはまりこんで蛇腹管を固定します。





 日本語の文章で物の形と動きを説明するのは至難の業です。

 特許の明細書が皆さんに分かりづらい理由の一端は、この辺にあります。

 ましてや私の表現力のなさが災いして一層あなたに分かりづらい文章になっています。

 大変だとは思いますが、2度3度・・・5回10回と分かるまで読み返してください。

 これでも明細書よりは分かりやすく書いている積りです。
 ごめんなさい。





 次に蛇腹管を外すときの説明を、図4を使って説明します。

 他社のものは、このように「管接続具」に蛇腹管が固定された状態でキャップをねじったり回動することにより「小さな係止突起が蛇腹管の外周の溝から外れて抜けるようになっていました。」

 しかし私共のものは、蛇腹管が「管接続具」に固定された状態でキャップを本体方向に押し付けますと、湾曲した突起に最先端の内側は傾斜面が本体中央部の上端面の反対方向の傾斜面に沿って押し下げられ、湾曲した突起の先端部が押し広げられます。

 このようにキャップを本体に押し付けた状態で蛇腹管を引抜くと、蛇腹管は簡単に引抜けます。




 以上が、「管接続具」の説明です。





 この様に、例え大手企業がひしめく業界の商品であっても、「まじめ発創法」で「観て」、「目的を追求し」、「手段を組合せ」れば、特許商品を開発できます



 問題は、何を観るかと、販売力です。



 零細企業が、例え画期的な洗濯機を開発した所で、松下電器に対抗できるでしょうか・・・?

 残念ながら、ほぼ不可能だと言えるでしょう。



 蟹は、甲羅に合わせて穴を掘る、と言います。



 隣の芝生は、青く見えるとも言います。

 中小・零細企業は、自社の得手な業界で、得手な商品を開発しましょう。



 ローテクでもいいのです。

 ローテクには、ローテクのよさがあります。

 ローテク商品には、無限の可能性が秘められています。

 チョット「視点を変え」、「観方を変え」れば、特許商品は、何ぼでも開発できます。



 そのためには、

 まじめ発創法を身につけてください。

 それほど難しい発想法では有りませんから。

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事例2 調理鍋のハンドル

 次の事例は、調理鍋にワンタッチで取り付けるハンドルです。



 これは、世界的に有名なフランスのクリステル社の特許権を始め数十件の特許出願をクリアーした例です。

 図を入れましたが、以下の説明も分かりづらと思います。

 私の表現力の至らなさです。 ごめんなさいね。



 次の図1は、クリステル社の鍋用着・ハンドルで、鍋の外周の取付部にワンタッチで取付けたり取外したり出来ます。
  図1  クリステル把手1.gif

 このハンドルには、上下に分れるハンドル本体を合せた時、片側に鍋の取付部を差込む穴が開けられ、この取付部差込穴の奥には上下に貫通する貫通孔が開けられています。

 取付部差込穴の両側は、ほぼ平行で、この穴内には、差込まれた取付部にハンドルを固定するロック/ロック解除装置が取付けられています。

 このロック/ロック解除装置は、シーソのように支・に支えられ回動します。

 このロック/ロック解除装置の片側の上とハンドル本体の間には、コイルバネが取付けられ、ロック/ロック解除装置の片側がコイルバネにより常時下側に押し付けられています。



 又、ロック/ロック解除装置の反対側は、貫通孔内に飛び出していて、指で押せるようになっています。

 このロック/ロック解除装置の反対側を指で押すと、取付部差込穴内のロック/ロック解除装置の片側とハンドル本体の下側の間が開き、鍋の取付部が差込めます。

 ロック/ロック解除装置を押している指を離すと、ロック/ロック解除装置が解除され、鍋とハンドルが固定されます。

 ハンドルを取外すときは、貫通孔に指を差込み、ロック/ロック解除装置の反対端をもう一度押すとハンドルが引抜けます。



 以上が、クリステル社の鍋用着・ハンドルの概略です。





 目的追求



 鍋用着・ハンドルそのものの目的は何でしょうか?

 1) 片手ハンドルの場合、長いハンドルが収納時に邪魔になる。

 2) 熱くなったハンドルでは握れないし、長いハンドルを取付けたままでは、ハンドルに引っかかって鍋を引っくり返す危険がある。

 3) 固定式のハンドルの場合

  a) 強火にかけるとハンドルまで熱くなって持てなくなるから、ハンドルを取外しておきたい。

  b) ハンドルを外した熱い鍋は持てないから、ワンタッチでハンドルを取付けたい。



 4) そこで登場するのがクリステル社の着・ハンドルですが、同社は、世界的に有名な会社で、日仏で特許権を持ち、真似ると大変です。



 もう一度、今追求した目的を振返ってみましょう。

 何か目的の設定に漏れはないでしょうか?



 見ているだけでは、気づきません。

 実物ナシで、図を見ただけでは、少し分りつらいでしょうが、少し頑張ってください。



 空鍋にハンドルを取付けたり外したり、水や素材を入れた重い鍋にハンドルを取付けたり外したり、冷たい鍋や熱い鍋といろいろやってみて下さい。

 何に気づきましたか?



 このハンドルは、鍋と密着していないためガタツクき、不安定です。

 部分目的を観、全体目的を観、つけたり外したり、いろいろやって始めて観つかるのです。



 5) ワンタッチで着・でき、取付けたときガタツカず、密着して安定する着・ハンドル。このような目的で開発したのがA社様に提供したハンドルです。



 ここで少し触れておきます。

 例えば、コイルバネの目的は何か?

 「コイルバネは、ロック/ロック解除装置の片側を常時下側に押し付けるもの」ですから「板バネやゴム」でも良いのです。

 しかし、このやり方だと根本的解決にならないことが多いです。

 小手先の特許逃れはできても「ユニークな商品」の開発は、難しいでしょう。






 私たちが開発した「鍋用ハンドル」図を見て下さい。

   図2  片手鍋把手正面.gif
   図3  片手鍋把手横断面.gif

   図4  片手把手縦断.gif

 図2は、鍋にハンドルを取り付けたところに正面から見た図です。

 図3は、この図2のハンドルを横方向にに切断した断面図です。

 図4は、図2、図3とは異なる構造のハンドルで、縦方向にに切断した断面図です。



 如何ですか? クリステル社のハンドルと何処が違うでしょうか?

 構造的にかなり違いますね。

 バネの使い方は、押付ける方向が違うだけで大きな違いではありませんが、ロック/ロック解除装置と中央のシャフトの動き方がまるで違います。

 クリステル社のハンドルは支軸を中心に反転するロック/ロック解除装置の先端部で鍋の取付け部を抑えます。

 私共のハンドルは、シャフトを前後動させ、シャフトの傾斜面により球やロールを鍋のフランジの孔や溝に押付けて固定します。

 この発明は、シャフトの傾斜面が押付けた球やロールの丸い面がフランジの孔や溝の縁を押付けているのでガタツクこともなくキッチリと取付けられるのです。



 このように両者は、目的も効果も似ていますが、取り付けたハンドルが、『ガタつかない』と言う点で少し違います。

 そして、同じようにスプリングを使っていますが、発想の次元が違い、発明の基本思想が違うのです。

 特許は発明の構成部品にではなく、発明の思想に与えられますから権利化は、ほぼ間違いないでしょう。

お客様との対話より


 社長様との対話より

社長様 「驚いたねぇ〜! この前の提案からまだ10日でしょう。たった10日で2点もの新しいアイデア!

 ハンドルの相談を始めてからまだ半月でしょう。僅か半月で3点も、それも中身が全く違う案をねぇ〜!

 どうやって考えるの?」

坂井 「なぁ〜に、『非まじめ発創』で考えるんです。

 「まじめ」でもなく、「ふまじめ」でもなく、「非まじめ」になって、ハンドルの目的を徹底的に追求することから始めるんです。」

社長様 「非まじめ発創」?  何に それ・・・?

坂井 「一言で言うと、『こだわりを捨て、従来の考え方から離れ、モノ・コトの原点から考える発想法』です。」

 「誰にでもできる簡単なやり方ですよ・・・!」

 「『観て』『目的を追求』するだけですから。」

 ・・・・・ 以下省略 ・・・・・

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