特許の本質とポイントは違う !


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   『 特許の本質とポイントは違う ! 』
2008.7.29. 77号 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
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 【特許の模倣を防げない落し穴】の非まじめ塾:坂井です。
 今日も『非まじめ・メルマガ』をお読みいただき有り難うございます。


 7月もこれが最後ですね。

 今回の【非まじめ人コーナー】で
   楽しい偽装、許される偽装、
について書いて見ます。

 こんな『偽装』は許して欲しい!
 いえ、いえ、偽装容認発言ではありませんからご安心ください。


■ 本日の【非まじめメルマガ】
  ◆【非まじめ人コーナー】
  ◆【読者様の声】
  ◆【非まじめ発創】
  ◆【あとがき】


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  ◆【非まじめ人コーナー】

 設計偽装に始まり様々な【偽装問題】が発覚しています。

 食品偽装では、死者さえ出ていますが、当事者の中国メーカーも、
それを調べる中国政府も、責任を取ろうとしていません。

 困った問題ですが、この問題をここでこれ以上取上げる気はありません。

 

 ところで、こんな【食品偽装】は、楽しくかつ甘党にはたえられないでしょうね!

 甘いものは、一切受付けない私の舌が恨めしいです。

 前置きはこれくらいにして、中身をお知らせしましょう!


 羊かんでおなじみのあの有名な虎屋が販売している「楽しい偽装スィーツ」。

 先ずは、このアドレスをのぞいてください。
 オドロキ、アキレテ、腹を抱えて笑えます!

   ⇒ http://www.tora-ya.co.jp/10003/index.html#s_98

 お菓子つくりで380年のあの超老舗:虎屋にこんな柔軟発想ができるとは、おどろき、桃の木、サンショの木!


 見ましたか? そっくりスィーツが17品。
 (さすが、偽装スィーツとは言っておりませんね!)

 先ず最初は、うな重そっくりなミルフィーユ。

 容器の表にも「うなぎ」と書いていますよ!

 人気商品第3位ということですからお客さんも、これをスィーツの
偽装と承知して食べているんですね。


 2番目が、たこ焼きにしか見えないシュークリームです。
 ナムコ、シュークリーム博覧会で1位の実績を引っ下げて人気第1位です。


 のり巻風ロールケーキ、オムライスみたいなイチゴのムース、餃子だと
思ったら、なんとチョコレートに饅頭〜〜〜こんな偽装ケーキが17点!


 虎屋は、中身の説明も確りやっていますから、偽装事件にも、詐欺
事件にもなりません。

 お客さんも、偽装だなんて考えず、それを承知で楽しみながら食べて
いますから、楽しい偽装は仮装と同じで結構な発想ですよね!


 貴方の商品開発に、トラや軽快な発想力を参考にできませんか?

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  ◆【読者様の声】

 神奈川の深堀さんから私のレポート『特許の落し穴と本質7つのツボ!』のアンケートが届きましたのでご紹介します。


 深堀さんは、企業の特許部の方で、社内の特許啓蒙活動用の情報を
探しておられたそうです。

 社内の特許啓蒙活動には、「特許法や特許制度については研修を
行うことで理解されるが、開発等の実務にどのように活かしていくかが
難しかった。
 具体例を上げても、単にその場しのぎの対策でしかなかった。」

 また「いろいろ参考になった」、「開発を行うにあたって、留意すべき
点がいくつもあった。特に、水の江氏の話は、逆転の発想でもあり
参考になりました。」


 深堀さんの会社は、特許部があるくらいの企業ですから、キット大企業
だろう、と思います。

 逆に、大企業であっても、また別の悩みがあるものだと、つくづく感じ
ました。

 私のレポートが、このような大企業の特許関係者にさえ役立つ
可能性があると思うと、嬉しくなりますね。

 大企業がこうやって頑張っておられるんですから、中小零細企業や
個人の出願人にもっと、もっと頑張っていただくために、私も頑張ら
なくっちゃ〜!

 と言うことは、ヤッパリ身体の鍛錬が必要なんだぁ〜〜〜!
   こりぁ〜元青年にとってはかないキツイで〜す!


 深堀さん  どうも有り難う御座いました。


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  ◆【非まじめ発創】

 さて、前回のメルマガの【あとがき】で
  この度は、『発明の本質』にも、二段階あり、
    一段目の『出願する発明の本質』と、
    二段目の『出願する発明の本質』をさらに追及した
           『発明本来の本質』
  があるのです。
  〜〜〜〜〜
  『出願する発明の本質』と『発明本来の本質』の
   違いは、何でしょうか?
と、書いたことを覚えておられるでしょうか?


 『出願する発明の本質』と『発明本来の本質』の違い

 今回は、このことで、今現在気づいていることを、書いて見ましょう!

 

 私が、特許を学びだして間もなく、多数の先輩(年下でもこの道の
先輩)から
   明細書は、『発明のポイントを抑える』ことが、キーポイントだ!
と、繰返し言われました。

 当然私も、お客さんから発明を聞くときは、お客さんの説明からその
『発明のポイントはなんだろう』と、必死に聞きました。

 お客さんの発明に関しては、『お客さんがプロであって、私はアマです』
からお客さんの説明の段落ごとに、私なりに説明された内容のポイントを繰返し、確認を取ったものです。

 中には、私が繰り返すポイント確認をわずらわしがったり、勝手に決め
つけるな、と怒り出すお客様もありました。

 しかし、私は、お客さんの説明を間違えて理解していたのでは、
明細書も間違った明細書になりますから、そのように説明して了解を
取っていました。

 それなりに、私も必死だったんですね。

 今でもその姿勢に変わりがありません。


 例えば、お客さんから「A+B+C+D+E」と言う説明を受けると、
そのポイントは、「A+B+C」ですか。

 その上で、もし「A1+B+C」や「A+B1+C」あるいは「A+B
+C1」にすると、どうなるのでしょうか?

 困るのは、技術に自信のある発明者ほど多いのですが、
   「俺の発明にケチをつける」
と言って怒り出すんですよね!


 私としては、「ケチをつけて」いるのではなく、
   「権利の強化」のための質問なんですが、
    理解してもらえないのです。

 これには、本当に閉口しました。

 

 こうやって、「発明のポイント」をつかんでいたのですが、あるとき、
特許裁判の判例を見ていて気づいたのですが、
   「発明のポイント」をつかんでも、特許裁判で模倣を防げない
ことがある、と気づいたのです。

 それが、無料レポートに書いた、「送り状と、マジックテープ」の判例を
解説した本でした(十数年前のことで題名は、忘れました)。


 その後、タバコの自動販売機で有名なグローリア社の「自動販売機
事件」の解説に出あって、「発明のポイントをつかんだ」だけでは、
模倣を防ぎ切れないことがわかりました。

 裁判所の判断によると、たとえ「発明のポイントをつかみ」、
   それに見合った「広い請求項」を書いても、
   「実施例が1つだけでは、書かれた実施例だけが特許権」
として解釈されることが分りました。

 

 これは、大変重要なことです。

   「実施例が1つだけでは、書かれた実施例だけが特許権」
として狭く解釈されるのです。

 

 と言うことで私は、無料レポートに「実施例が1つだけの例」を書いて、
   「特許の落し穴」
として、皆さんの注意を喚起しているのですが、無視する人が多く、
さみしい限りです。

 

 『非まじめ・メルマガ』第1号を2006.1.23.に書き始めて2年半、
ズ〜と、この姿勢を守り続けてきました。

 徐々にですが、今年の4月、隔週を周一発行に切換えてから2点の
気づきがありました。

 一つは、
   特許権の模倣防止には、単に請求項を拡張し、
   請求項に見合った複数の実施例を書く
だけでは、模倣を防ぎきることは、むつかしいことです。

 昨年末のキャノンのインクカートリッジ判決をみても、故意の模倣者
は、裁判で負けても、形を変えて更に模倣を繰返しますから
   米国並みの『3倍賠償』制度の導入しかないのでしょうね。

 しかし、裁判は、裁判として、特許権が機能して、好調な売れ行きが
続いているうちに、この好調な特許権上回る特許商品を開発し続けることが、
   模倣防止の最高の商品開発戦略だと言うことです。

 この好例が、ソニーのウォークマンであり、アップル社のIpodoの
戦略でしょう。

 どちらも、追いつき追い越せでライバルが開発した時点にあわせて
現行の商品の販売を停止して次期商品に移行しています。

 ライバルが、追いつけず、市場から撤退を余儀なくされています。

 

 もう一つの気づきは、今回の題材にあるように
   『 特許の本質とポイントは違う ! 』
と言うことです。

 どこが違うのか?

 非まじめ・メルマガの75号の例に取上げた『ハート形バケツ』で説明
しましょう。

 『ハート型バケツ』の請求項は、
 【請求項1】
 バケツ本体の少なくとも上方開口部の形状を、上から見てピーチ形
 乃至ハート形とし開口部一側縁に屈曲角部を形成したことを特徴と
 するバケツ、
となっています。

 これが、まさに、『ハート型バケツ』のポイントですね。


 出願された発明そのものですが、しかし、私には不満なんです。

 『ハート型バケツ』と言う発明の本質は、これではない、として次の
ように『請求項1』と『請求項2』を書いています。


 【請求項】案1
 容器本体の開口部の形状が、一側に凹部を有することを特徴とする容器。

 【請求項】案2
 容器本体の開口部の形状が、一側に凹部を有し、この容器本体の
把持部を手に持って下げたとき、一側の凹部が足の側部にはまる
ことを特徴とする容器。

 この【請求項】案1が、発明の本質なんですね。

 案1にも、案2にも『ハート形』と言う言葉が出てきませんね。

 と言うことは、『一側に凹部』があれば、ハート形でなくとも何でも良い、
と言うことになり、権利範囲が大きく違ってきます。


 単に権利範囲が広がっただけではないのですよ!

 すなわち、発明の概念、基本姿勢そのものが違ってくるのですから、
ウォークマンやIpodoのような次の商品開発につながるのです。

 発明が、ウォークマンやIpodoのような革新的な発明である場合、
商品開発に対する基本戦略が、全く違ってくるのです。

 個人や中小零細企業が、大企業に発展できる糸口にもなり得るのです。

 

 ご理解を深めるために、無料レポートに書いた『送り状』と『マジック
テープ』についても見てみましょう。


 『送り状』の発明のポイントは、
   『1枚の剥離紙で覆われた裏面に接着剤を塗布した台紙』
ですね。

 これを発明の本質で表現しますと、
   『剥離紙で覆われた裏面に接着剤を塗布した台紙』
となって『1枚の』と言う文言がなくなるだけですね。

 ホントにわずか『1枚の』と言う3文字の違いが、
   特許権の価値を台無しにしたわけです。

 

 一方『マジックテープ』の発明のポイントは、
   『ベース上のJ型と、もう一つのベース上のΩ型の突起を
    からませる』
と言うことですね。

 これを発明の本質で見ますと、
   『それぞれのベース上に形成され、互いにからみあえる突起』
と表現できるでしょう。

 

 このように『発明の本質とポイントの違い』について、欲望を喚起する
ためと言うか、言ってみればアオルために、最後にチョッと脱線しますよ!


 今、コンビでおにぎりが良く売れているようですね。

 このおにぎりは、殆ど1個づつ包装されていますが、この包装袋には、
当然特許権があります。

 余計なおせっかいですが、この特許権のロイヤリティーを計算して
みましょう。


 ネットで、『おにぎり、販売、個数』で検索してみましたら記事によって
まちまちですが、日本最大手のコンビにでは約20種類のおにぎりを
販売しているそうですが、販売数量がなんと約10億個だそうです。

 また、別のメルマガでは、20億個と言っていました。

 もし、このおにぎり袋のロイヤリティーが、1枚1円であったら
   なんと20億円ですよ!


 ロイヤリティーですから遊んでいようが、寝ていようが入ってくるんです
よね。

 もし、先ほど書いた『送り状』が、1社独占だったら、いや、クロネコの
分だけでも良いが、とんでもない数字になることでしょう。

 

 いやいや、私が言いたいのは、ロイヤリティーではなく、
   特許の本質とポイントの違い
ですから誤解しないで下さいね。


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  ◆【あとがき】

 『非まじめ発創』の最後は脱線してみましたが、
   特許の本質とポイントの違い
を、的確にツカムことの重要性に気づいていただけたでしょうか?

 弁理士に丸投げで出願していたのでは、ほとんど『特許の本質』を
ツカンだ出願は見込めないと思ったほうがいいですね!


 やはり、犬飼弁理士が言われるように、
   自分の発明は、自分で守る
しかないのです。


   医師が病気を治すのではなく、病気を治す手助けをする
のと同じことです!


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 今日も、最後までお読みいただきまして 本当に有り難うございました。

 いかがでしたか、お役に立てたでしょうか?


 さんの ご健闘を お祈り 申し上げます。


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