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『 モノマネと、浜の真砂はつきマジ! 』
2008.7.8. 73号 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
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【特許の模倣を防げない落し穴】の非まじめ塾:坂井です。
今日も『非まじめ・メルマガ』をお読みいただき有り難うございます。
■ 本日の【非まじめメルマガ】
◆【非まじめ人コーナー】
◆【読者様の声】
◆【非まじめ発創】
◆【あとがき】
早速、【非まじめメルマガ】を始めましょう。
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◆【非まじめ人コーナー】
去年の夏の暑さにすっかりやられたので、今年は早々とクーラーを
セットしたのですが、梅雨明け宣言なしでズルズル夏本番に突入
しそうで、暑い!
そんな中、ボケたくないので食後30分の運動で鍛えていますが、
さすがに汗だくです。
せっかく用意したクーラー、セットしようかな、まだ7月になった
ばかりだ!と、頑張ってはみたものの、連日30度を越す猛暑に根を
上げました。
13日の日曜日からクーラーをスィッチ・オン!
ところで、1月前、親しかった友から不機嫌な電話があった後、
ピタリと音信が途絶えました。
また、近くの居酒屋で良く会う50代の飲み友達、コチラは自殺の訃報。
なんともやり切れないものですね。
人間、何れは死ぬ身ですから『別離』そのものは避けられないと
言うし、人間に限らず動物も、植物も、イヤ、地球でさえ、3〜40億年
後には、燃え尽きて膨張する太陽に飲み込まれて消滅するそうです
から『別れ』は避けられないとしりながら、やはりツライですね。
禅の心とまでは行かなくとも『今ここ』の心で、
自分のやれることを、今日一日、一生懸命やるしかないのでしょうか?
それにしても、やはり『別れ』はやはりツライもの。
出だしが湿っぽい話でご免なさい。
気持を入れ替えて、次のコーナーへ進みましょう!
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◆【読者様の声】
前回の非まじめ・メルマガで6月21日の日経新聞の記事
“ガラス生産 燃料費半減” “旭硝子 製法を抜本転換”
を引用して書きましたら
前回の非まじめ・メルマガでチョッとだけ紹介した
長野のVWS社の荻田島さんからメールをいただきました。
その荻田島さんのメールには、こんなことが書いてありました。
『俺には、とってもこんなことは考えられな〜〜い』と!
この荻田島さんは、その道の専門家であり、ある大学の教授から
『従来、有害だとされており、反対された』商品を
その有害性を逆用して立派な商品に育て上げた発明者です。
その有能な発明者でさえ、
『俺には、とってもこんなことは考えられない〜〜』と、
言わせるほど“旭硝子 製法を抜本転換”は、素晴しい発明です。
ご存知のとおり、旭硝子は、AGCエステート社を全額買収した上で、
合併し、さらに、AGCエステート社の社長を旭硝子の社長として迎え
入れた
素晴しい柔軟発想のできる会社です。
中小企業が、こんな大企業に対抗して発明しようとしても、自力で
商品化ができませんし、例えできたとしても、資本力で叩き潰される
だけです。
マネるべきは、発想の柔軟性です。
荻田島さんの発明を今書くわけに参りませんが、これも先回の
メルマガに書いた“キリン君”のようにもっと身近な商品で、大企業が
手を出さないニッチな商品に挑戦しましょう。
柔軟な発想で、その商品の本質をつかめれば、
意外と、発明は簡単にできますから〜〜〜!
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◆【非まじめ発創】
いよいよ本題です。
本題は、タイトルにあるように、
『 モノマネと、浜の真砂はつきマジ! 』
2007年11月8日、最高裁で
『キャノンのインクカートリッジ・リサイクル品』
についての判決が下り、キャノンが勝訴したことをマスコミで大きく
報道されたので、みなさん良くご存知のとおりです。
これで『インクカートリッジ・リサイクル品』の問題が解決したので
しょうか?
イヤイヤ、火種は、尽きていないようですよ。
論より証拠、翌9日、
『セイコーエプソンのインクカートリッジ・リサイクル品』
についての判決が出たのですが、コチラはセイコーエプソンが負けた
のです。
同じ『インクカートリッジ・リサイクル品(権利の内容は違う)』について
全く逆の判決です。
しかし私は、この判決内容についてどうこう言うつもりはありません。
今回、私が取上げるのは、これで『インクカートリッジ・リサイクル品』
の問題は、解決どころか、今後も続きそうだと言うことです。
翌月曜日(12日)に日経新聞の記事を見ると、それがわかります。
12日の記事は、同新聞の『スイッチオン・マンデー:法務インサイド』
興味のある人は、公立図書館に行って2007年11月8日(木)の
新聞を見てください。
見出しは『特許巡る新基準、なお火種』
副見出しは『双方、判決を有利に解釈』
この2行を見ただけで例え裁判で争っても、特許侵害・模倣の
問題は、完全に解決できていないことがお分かりいただけるでしょう。
結論を言ったから今日のメルマガは、これで終わりと言ったら、私の
腹の虫が収まりませんからもう少し記事の中身を見ていきましょう。
この判決でメーカー側は、『再生品の監視を強める』と言う姿勢です
が、リサイクル業者は、『販売を続ける』ようです。
ナゼか?
侵害か否かに対し最高裁が示した『新基準』にあるようです。
この『新基準』を双方がそれぞれ自社に有利な解釈をしているからです。
では、この『新基準』はどんな内容なのでしょうか?
これについて法律の専門家が、いろいろ述べていますから私ごときがこの内容に立ち入ろうと思いません。
興味のある人は、インターネットなどでお調べください。
ただ従来は、一旦販売された特許商品は、特許権が使い尽くされ、
特許権がなくなる、とされていたものを、この度の判決はこれに制限を
加えたことになります。
特許権が使い尽くされと解釈されないと、流通業が成り立たなく
なり、消費者が困るのみならず、メーカー自身1点1点販売しなければ
ならず、特許商品が売れなくなるのです。
しかし、今回の判決は、こうした従来の解釈に制限を加えたわけです
から今後の経済界への影響は、計り知れないものがあるかもしれま
せんね。
例えば、特許商品が故障したとき、一々メーカーが修理しなければ
ならないのでしょうか?
となると、メーカーが直接修理工場を展開している自動車産業でも、
メーカー以外の修理工場は、修理してはいけないと言うことも起こり
かねないですよね。
中小零細メーカーは、流通を問屋任せにしていますが、そこから
小売を通して売られた商品の修理は、どうしたら良いのでしょうか?
話が横道にそれてしまいましたので、元に戻します。
同記事によるとキャノンは、最高裁の基準が「特許を重視し、幅広く
再生品に網を掛けた」と評価し、提訴商品だけでなく、広く再生品
一般に侵害の可能性が広がった、とみているようです。
先ほど書いたように、この解釈を更に拡大解釈すると、先ほどの
修理業が全て違法行為、と言う考えも成り立ちかねませんね。
これでは、流通業そのものがなり行かなくなりますが、どうなりますかね?
翌9日の判決で敗訴したセイコーエプソンもキャノン同様「最高裁
基準が広く再生品に網を掛けた」と言う見方で「メーカーに追い風」と
歓迎しているようです。
一方、負けたアシスト社は、さすがに訴えられた商品の販売その
ものは中止したようです。
しかし、再生方法を変更して販売を続けるようですよ。
また、他のリサイクル業者は、再生方法が違う、あるいは再生方法
変え、販売を続けると言う姿勢です。
これらのリサイクル業者の立場に共通することは、判決が出たその
商品自体に問題があったのであって、自社の再生品には無関係で
ある、としています。
その上、さらに、最高裁判決に盛られた「取引の実情」と言う一文を
「リサイクルへの社会的要請」も含まれる、と解釈しているようです。
何れにしても、リサイクル品の問題は、この最高裁判決で解決した
とは、言えないようです。
さらに記事は続きます。
この最高裁判決について、日本弁理司会の丸島儀一知的財産価値
評価推進センター長(元キャノン副社長)は「特許権侵害の適用範囲を
広げ、メーカーに有利な判断、とし、その製品と比べてどの程度同一性
を欠くと侵害になるのか分りにくい。個別に見ていくしかない点に課題が
残った」とのことです。
元とは言え、キャノンの副社長であった丸島氏でさえ『メーカーに
有利な判断』としており、『個別に見ていくしかない』と言われるのです
からリサイクル品の問題は、単にスタートラインに立っただけなので
しょうね。
以下、チョッと飛躍した書き方をしますが、
『モノマネ、模倣は、人間本来の姿』ではないでしょうか?
別に模倣者を擁護するつもりはありませんが、人も動物も、親の
保護下で育つ生き物は、全て『親を見て学び、育つ』のですから
『親からモノマネのしかたを習っている』のです。
そして『モノマネで習得した技術に、独自に改良した技術を加えて
文明は進化』しているのですから、石川五右衛門が言うように
浜の真砂同様、『模倣も永遠になくならない』
と考えられますね。
それでは、模倣は許されることなのでしょうか?
そんなことはありません。
そのために特許法を始めとする法律があり、憲法を筆頭とする各種
法律があるのです。
せめて、特許法で決められた『出願から20年』は、守ってもらいたい
ものですが、言葉で表現する法律は、数学とは違い正確に線引きする
ことができないのです。
では、特許権を模倣から防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
最高裁まで争っても、なお問題が残るのが法律です。
私の知る限りでは、特許出願前に、どこまで準備するか、につきます。
第一に、どこまで特許調査するか。
第二に、特許調査を基に、請求項をどこまで上位概念で表現するか。
そして、その上位概念で表現した請求項を満たす実施例をどこまで
表現するか。
そのためには、出願したい発明を徹底的に『観て』、その発明の
『本質』をつかまなければなりません。
これらの点を手抜きして、模倣を防ぐことは不可能と言ってよいで
しょう。
最後の一言は、『観る』の一言に尽きます。
『観る』コトにより発明の『本質』をつかみ、
その『本質』を徹底的に守れる明細書を作成して出願する。
『言うは易く、行なうは難し』とは、このことを言うのでしょう!
いやぁ〜! 驚いた!
リサイクル品の最高裁判決から、こんな結論が飛び出すとは、
我ながら驚き、アキレテいますが、
こんな立派な結論、そう簡単に実行できる問題ではなさそう
です。
実に無責任な言い方ですが、立派な結論が出てきちまったんですよね。
何処までできるかわかりませんが、出てきちまった以上、
模倣されたくなかったらやれるだけのことはやる、
これしかありませんよね。
あ〜ぁ! 石川五右衛門のことで終わりにすれば良かったものを
ついつい、腱鞘炎気味のこの指が勝手に走ってしまいました。
ご容赦値がいま〜す。
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◆【あとがき】
全く驚きの結論が出たものですが、結論が何であろうと
『特許の落し穴』にはまり、模倣者の出中攻撃を浴び、
挙げ句の果てにセイコーエプソンのように裁判にも撒けたら
これはもうかないません。
会社が倒産することだってあるのですから『丸投げ出願』は、
絶対やってはなりません。
弁理士に特許出願を依頼する前に、
出願する発明の本質をシッカリつかんでください。
これが、模倣防止の第一歩であり、基本です。
さんの ご健闘を お祈り 申し上げます。
今日も、最後までお読みいただきまして 本当に有り難うございました。
いかがでしたか、お役に立てたでしょうか?
今回は、我ながらホントに驚いた結論を導き出してしまいましたが、
読みやすかったでしょうか? 親しみやすかったでしょうか?
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