この事例は、4件を同日出願したものです。
大企業は、模倣防止対策をここまでやっているのです。
大企業だから4倍の経費をかけて「特許の落し穴」から逃れましたが、中小・零細企業には、これだけの経費をかけられません。
図1 図2
図3-1 図3-2
図4-1 図4-2
図を見てください。
この某社の出願は、ゼリー状の食品を入れる小容器(カップ)です。
4件もの特許出願が同じ日に出願されました。
もちろん、出願経費も審査請求料も4本分、大企業ならではの贅沢な出願です。
例えば、図1から4のうち図1の実施例1つだけを書いて出願し、特許権が取れたとき、他社が図2から4を商品化した場合、権利に触れるでしょうか?
これは、大変危険です。
他の3本の内の1本を他社が実施しても、模倣にならない可能性が強いのです。
理由として、
1.1本の出願で4本の出願を総合する請求項をつくることは
大変難しい
2.例えできたとしても、裁判官の判断で明細書の実施例に権利が
限定される危険があります。
それでは、4つの図と4つの実施例を1本の明細書に書いて、単にそれぞれの請求項を並べれば良いのでしょうか?
これも危険です。
もし、モノマネする第3者が知恵をしぼって、実施例とチョッとだけ違う形で、請求項をクリアーした場合、これも模倣にならない可能性があります。
それではどうしたら良いのでしょうか?
模倣者と知恵比べです。
この段階で取れることは、4つの実施例を1本の書類にまとめ、総合する請求項を作った上で、4つの実施例を含む上位概念の請求項を作ることです。
少なくとも、これくらいの対策をとってください。
出願時点で、全ての可能性を考え出すことは、容易ではありませんし、不可能でしょう。100%完全な模倣防止対策はあり得ませんが、実施例は、1つだけではなく、2つ以上の実施例を書いた上で、総合請求項と個別請求項を書き、更に、総合請求項と個別請求項の間に何段階かの請求項を作ると良いでしょう。
できることなら、弁理士に頼む前に出願するアイデアと『同じ目的で、同じ効果が得られる別の例をできるだけ多数拾いだし、これらの例のうち、絶対にマネられたくない例を最初のアイデアと一緒に弁理士に伝える』ことです。
しかし、小さな会社の最高の模倣防止対策は、キャノンのコピー機のように最高の自社商品をしのぐ、より優れた商品を開発し続けると共に特許も出願し続けることです。
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