『 折畳み容器 について考える ! 』


●◎●   非まじめ・メールマガジン   ◎●◎
  『 折畳み容器 について考える ! 』
 2008.5.20. 66号 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
◎●◎  http://www.himajime11.com ●◎●
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆【特許についての私の願い】

 中小企業の社長さん!
  特許が取れても、『特許の落し穴』に落ちれば、模倣を防げません!

  『特許の落し穴』は探すな!
  『発明の本質』をつかめば、『特許の落し穴』が観えてくる!

  先ずは、出願したい発明を『徹底的に観る』ことから始めよう!

 アイデアの【本質】を追求する【非まじめ発創】で
  御社の特許権を強化し、侵害・模倣から守りましょう!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 


 非まじめ塾の坂井です。

 今回の本題は、チョッと長すぎですが、大変重要なことを書きました。

 最後までお付き合いください。

 

■ 本日の【非まじめメルマガ】
  ◆【非魔人=超凡人コーナー】 今回カット
  ◆【読者様の声】
  ◆【非まじめ発創】
  ◆【あとがき】

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

◆【非魔人=超凡人コーナー】

 今回の本題が意外と長くなったのでカットしました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

  ◆【読者様の声】

 山下さんからこんなメールを頂きましたのでご紹介します。

 何時も「強い特許をとるにはどうしたらよいか」と言う内容のメルマガで、
有り難いのだが、たまには実用新案のことも書いてくれないか?

 

 「非まじめ・メルマガ」の読者さんの中には、他にもこのような疑問を
お持ちの方がおられると思いますので、チョッとだけご説明しましょう。

 

 

 くわしくは、2006.03.02. bT ■ 特許と、実用新案 ■
をご覧いただきたいのですが〜〜〜?!
 ⇒ http://www.himajime11.com/article/13109961.html

 

 

 私が、実用新案について触れない理由は、
    ★ 【現行の実用新案は、権利ではない】 ★
からなのです。


 特許は、間違いなく特許権と言う権利です。

 特許権を獲得するためには、特許庁の審査官による審査をクリアーしな
ければなりません。

 その審査を得るには、特許庁に『審査請求』をしなければならないのです。

 

 しかしながら、実用新案には、特許のような『審査制度』がありません。

 『審査制度』がないのですから『審査請求』のしようもなく、
     当然『実用新案権』と言うものも存在しないのです。
     ・・・改正前の実用新案は、『実用新案権』でした・・・

 

 でも、でも、実用新案を出願すれば、登録されるではないか?
 と言う疑問が生れると思いますが、その理由は〜〜〜!

 

   実用新案は、出願形式が合っておれば、すべて登録され
   模倣されたら裁判所で争ってくれ
   特許庁は、有償で技術評価書を提供するが
   技術評価書は、読んで字のごとく単に技術を評価した書類に過ぎない
と言うことです。

 いやな言い方になりますが、自由化で米や酒の販売が届出に変ったように
実用新案も、単なる届出制になったのです。

 

 例え、模倣されても特許庁は『ワシャ知らん、後は裁判所で争ってくれ!』
と言うものです。

 

 極端な話し、『過去にあった特許や実用新案の方法をそのまま丸写しして
実用新案として出願』してみてください。

 必ず、出願の書式さえあっておれば登録になりますから〜〜〜?!

 

 

 と言うわけで、実用新案法がありますが、
        実用新案法はないものと、考えてくださいね!

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 さて、いよいよ、今日の本題です。

  ◆【非まじめ発創】

 今日は、折畳み容器について考えてみましょう。

 しかも、私が考える理想論を書きます。

 弁理士への『丸投げ特許出願』では、不可能だと思ってください。
 出願人が、事前にどこまで準備し、どれだけ情報を弁理士に伝えるかで
明細書の中身が全く変ってしまいます。

 中身が濃いほど、出願経費も高くつくことも承知しておいてください。

 と言うことで、今回の『非まじめ・メルマガ』はかなり長いです。
 でも、重要なことを書きますから最後までお読みくださいね!

 

 

 今日は、特開2003−40231号公報をヒントにしました。

 ヒントにしただけですから実際の出願とは違っています。

 

 【請求項】

 円筒状ペットボトルであって、

 上端に液体吐出口を有する有底の円筒胴を備えたペットボトルと、

 このペットボトルの肩部近傍及び底部近傍に形成され、ペットボトル
の長手方向と直交する方向に形成した溝状横筋部と、

 このペットボトルの円筒胴を両側方向から逆放射方向に押圧して板状
に押しつぶしやすいように円筒胴の対向する両側を長手方向に形成した
溝状縦筋部と、

 この円筒胴の腹をほぼ板状に押しつぶして形成された面の4隅を結ぶ
対角線方向の溝状傾斜筋部と、

 を有するペットボトル。

 

 

 驚いたね〜!

 もっともらしい、見掛けが立派な請求項が出来ました。

 我ながらあきれたモンです!

 

 さらに、明細書、特に実施例は1つだけですが、文面には合成樹脂製
容器の原料としてポリエチレンテレフタラート(PET)以外のものを
使っても良いように次のように書いてあるとしましょう。


 『ポリオレフィン系樹脂として例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン、ポリ−4−メチルペ
ンテン−1が挙げられ、芳香族ビニル重合体として例えば、ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられ、ハロゲン化ビニル重合
体として例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンが挙げられ、ニ
トリル重合体として例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ア
クリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられ、ポリエス
テル系樹脂として例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメ
チレンテレフタレートが挙げられ、ポリアミド系樹脂として例えば、ナ
イロン6、ナイロン6,6が挙げられ、ポリアセタール系樹脂として例
えば、ポリカーボネート、ポリオキシメチレンが挙げられる』

 

 

 以上のようなことを前提に前述の請求項のアラ探しをしてみましょう。

 

 請求項の最後を見ると、『ペットボトル』となっていますが、これが
発明の名称ですが、これは『ペットボトル』の発明であって、他の
合成樹脂を使った容器、例えば『ポリエチレン、ポリプロピレンなどを
使った容器は、権利主張しませんから、どうぞ自由に使ってください』
と言っていることになるのです。

 言い方を変えると、明細書に書いても、請求項に書かないものは、
権利じゃないと言うことです。

 逆に、請求項に書いても、明細書に書かないものは、これも権利じゃ
ないのです。

 これを誤解すると、前回のメルマガのようなことになるのです。
 ⇒ http://www.himajime11.com/article/13273370.html

 

 

 さて、次にいきましょう。

 請求項の頭に、『円筒状ペットボトルであって』とありますが、
この表現を見ると、『角筒状ペットボトルの権利も主張しません』
と言うことになります。

 

 

 次の『上端に液体吐出口を有する有底の円筒胴を備えたペットボトル』
これは問題とするところが内容にも見えますが、検討してみましょうね。

 ここで問題となるのは、『上端』と言う一言です。
 『冗談』じゃないんですよ!(出た出た、親父ギャグ)

 もし、ボトルの胴の側部に『液体吐出口』があったら問題ですね。
 しかも、下部とか、中央部にあれば権利外ですし、同じ側部でも
『上端』なら権利範囲ですね。

 日本語と言うか、『請求項』のむつかしさは、ここにあるのです。

 

 

 さらに、進みましょう。

 ここでは、『肩部近傍及び底部近傍』と書いてありますが、この
『近傍』とは『近く』と言う意味ですから、『肩部や底部』から離れた
位置に『溝状横筋部』を形成したら、当然権利外になります。


 しかし、このペットボトルの目的は、『全体を1枚の板のように
つぶして体積を減らす』ことにあります。

 であるならば、『肩部や底部』から離れた位置に『溝状横筋部』を
形成したら、『全体を1枚の板のようにつぶして体積を減らす』と言う
このペットボトルの『目的』が果たせなくなりますから権利外であっても
良いわけです。

 

 問題は、次の『長手方向と直交する』ですね。

 『直交』と言う言葉を辞書で引いてみましょう。

 大辞林には、『直交』を『二直線または平面、直線と平面が垂直に
交わること』とかいてありますから、例えば、垂直ではなく80度とか、
100度の角度になっていたら少なくとも争いになりますよ。


 では、これをどう表現したら良いのでしょうか・・・???

 意外とこれは、難しい問題なんですね!

 一つの例として書いておきますと、私なら『長手方向と交差する』と
書くでしょうが、チョッと広すぎるようでもあります。


 『ほぼ』とか『約』とか書く手もありますが、これは曖昧な表現で
時と場合によっては、『不正確な表現』として拒絶されることもあり
ます。

 あるいは、『85度から95度の範囲内で交差する』と言う書き方も
ありますが、これですと『85度未満や95度を超えた角度で交差
させる』と、権利外になりますよ。

 

 

 さて、次に進みましょう。

 ここもそれほど大きな問題がないように見えますが、『逆放射方向』
とはどういう意味かを考えて見ましょう。

 先ず始めに『放射方向』を引いて見ましたが、でておりませんので、
『放射』で引きなおしてみましたら次のようになっていました。


 大辞林の『放射』は、『一点からまっすぐ四方八方へ出すこと』と
なっていますが、特許の請求項でこのようなぼやけた意味では、先ほど
の『直交』の場合の『ほぼ』や『約』同様で感心しません。

 

 さてどうしたモンでしょうか?

 やむを得ませんから日刊工業の『特許技術用語集』を引いて見ましょう。

 この用語集には、『周囲に放出すること』となっています。

 

 なにか、食い足りません。
 今度は、同じ日刊工業でも『機械用語辞典』を引いてみましょう。

 同辞典で『放射』を『物体から放出される放射ネルギーおよびこれを
運ぶ波動』となっています。

 

 ああ〜!日本語は、難しい。
 ましてや専門用語はなお難しい。


 私は、『放射』の意味を『物の中心・軸心から四方八法に放出される
こと』だと思って使ったのですが、チョッと意味が違ってきますね。

 模倣者は、こうした点をアラ探しして突いてくるのですから大変です。

 

 でも、この請求項では、結果オーライですね。
 『両側方向から逆放射方向に押圧して』と言うことは、角型ペット
ボトルのように『軸心が複数』あっても、『筒胴の外部から押圧』して
つぶすことは、権利侵害ということなのですから『円筒胴』を単に
『筒胴』としておけば問題がなくなりますね。ん

 

 引き続き『溝状縦筋部』につい検討していきます。

 もし『溝状縦筋部』の『溝状』について
 単に『溝』と言うことですからC、M、U、X、W、コ、ヨ、その他
何でもありですね。

 そして、見る方向を指定しておりませんから筒の表から見ようと、
裏から見ようと、溝にさえなっておれば良いわけです。

 でも、あくまでも『溝』ですから片側が『突状』で、反対側が『平』
ではいけないわけですよ。

 

 『溝状縦筋部』の『縦』と言うことは、『円筒胴』の『軸心』方向と
言うことで、『軸心と交差方向』ではないということです。

 

 次は、『溝状縦筋部』の『筋部』ですから『一本の細長いもの』ということ
になります。

 

 

 さぁ〜、いよいよと言うか、最後と言うか、ようやく終着駅が見えて
きました。

 『この円筒胴の腹をほぼ板状に押しつぶして形成された面の4隅を結ぶ
対角線方向の溝状傾斜筋部』ですから、もしも、この『溝状傾斜筋部』
が『4隅を結ぶ対角線方向』でなかったら権利主張しない、と言うこと
です。

 もしこれが、『4隅を結ぶ対角線』となっていたら問題が出てきます。

 どんな問題でしょうか・・・???

 『4隅を結ぶ対角線』から『少しズレ』ていたら問題なんです。

 『4隅を結ぶ対角線』の後に『方向』と言う2文字がありますよね!

 

 例えば、『前方』と言ったら『斜め前』も前方ですが、『斜め前方』と言った
ら『まっすぐ前方』ではないのと同じで、『4隅を結ぶ対角線方向』と言う
ことは、『4隅を結ぶ対角線』から『多少ズレ』ていても権利だ、と
主張しているのです。

 

 

 さぁ〜終わりました。

 いやいや、終わっちゃいませんよ!

 おいおい、まだあるのかよ!

 ハイ、もう一つあります。

 

 長くなってきたから止めましょうか?

 でも、ここで止めたら『腹に一物、背に荷物』みたいで面白くありま
せんからもうチョッとだけ、ほんの少しですからお付き合い願います。

 

 

 この請求項には、3つの溝状筋部があります。

 すなわち、溝状横筋部と、溝状縦筋部と、溝状傾斜筋部の3つです。

 

 この3つの溝状筋部は、それぞれ1本の溝状筋部なのでしょうか?

 それとも、途中で切れた2本以上の溝状筋部からなるのでしょうか?

 

 これについて明細書の実施例で胴説明するかが重要になってきます。

 この3つの溝状筋部を『それぞれ1本の溝状筋部』と説明するか、
『それぞれ1本以上の溝状筋部』と説明するか、あるいは『それぞれ
断続した溝状筋部』と説明するか、書き方は明細書を書く人によって様々
です。

 

 私なら『それぞれ1本の溝状筋部』と書くか、『それぞれ1本以上の溝状
筋部』と書きたいものですね。

 

 

 私が考える理想論を書きましたので大変長くなりました。

 これを完全に実行することは、至難の業ですが、
      ゼヒ、目標にしたいものです。


 最後までお付き合いいただき大変お疲れ様。

 これで今日の『非まじめ・メルマガ』も、脱線せずに無事終着駅に到着
しました。

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


◆【あとがき】

 如何でしたか?

 これで3回続けて大変重い内容になってしまいました。

 しかも、今回は、チト長〜い、長すぎました。

 

 お読みになってお疲れでしょうね。

 私も疲れました。

 

 でも、これを知っているのと知らないのでは、弁理士への頼み方から違って
きますから何回も読み返していただきたいものですね。

 キット、いや、必ず役立ちますよ!

 

 

 アッ! 言い忘れるところでした。

 6月末をメドの、ホームページを全面リニューアルいたします!

 トップ画像も変更し、様変わりさせます。

 私がお伝えしたいことの第一は、
     特許には、権利が取れても模倣を防げない
          とんでもない落し穴がある
と言うことです。

 

 詳細は、何れお知らせします。

 

 

 今日も、最後までお読みいただきまして 本当に有り難うございました。

 今回も読みやすい、親しみやすい非まじめメルマガには、程遠いようですね。

 

 読みやすい、親しみやすい非まじめメルマガを目指して頑張ります。

 

 激励のメールを下さい。
 叱責のメールも歓迎です。

 

 あなたのご感想や、ご意見をメールで教えてください。

 

 今後も、読者さんに役立つ非まじめ・メルマガを提供し
続けるためにも、坂井あて、メールをください。

 メルマガの読者さんにも役立つものは、ご承諾いただいたもの以外は、
   質問者を特定できないようにして
   非まじめ・メルマガに取り上げさせていただきます。

   ⇒ himajime☆apost.plala.or.jp
     ☆マークを半角の@マークにしてください。

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 読者登録のお申込みは、ホームページの
      トップ右側からお願いします。


 ホームページのアドレスは、 ⇒⇒⇒ http://www.himajime11.com


  グーグルと、ヤフーで『特許 模倣』で検索すると、私のホームページ
  『中小企業の社長さん!
   侵害や模倣されない強い特許が 欲しくないですか ? 』が、
          トップに表示されます。

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 発行元:原点発創研究所: 非まじめ発創塾
              http://www.himajime11.com
 発行責任者:坂井 徳栄  himajime@apost.plala.or.jp
     @マークを半角にしてください。

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

 <免責事項>
 ※ ご紹介内容は、発行者の考え方です。
   購読者個人の責任においてご利用ください。
   記載内容を利用して生じた結果について、
   何らかの損害が発生しても、発行者は責任を負えません。

 ※ 友人、知人への転送は、大歓迎ですが、

    文章を変更しないでこのまま転送してください。
    一部あるいは全部の無断転載は、固くお断りします。
       Copyright 2008


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

▲ トップページ 模倣防止3つのツボの詳細は こちらから
▲このページのトップ 非まじめメルマガは コチラ