カートリッジ【キャノン勝、エプソン負】ナゼ?(1)

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   『 カートリッジ【キャノン勝、エプソン負】ナゼ?(1) 』
   2007.11.20. #49 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
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 非まじめ塾の坂井です。

 今日も お読みいただきまして有り難うございます。
 ご質問や感想もいただけると、ハゲミになります。
 ゼヒ、送ってください。

 

 

  石川五右衛門をご存知ですか?

  もちろんご存知ですよね。

  そう、極悪非道な盗賊の親分!

 1594年、今から410年前に、秀吉によって『釜茹での刑』にされ、
辞世の句 『石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の

        種は尽きまじ』

で有名なあの五右衛門です。

 五右衛門と特許と何の関係があるんだと言われそうですが、

五右衛門と特許は、直接関係がありませんが、辞世の句を見てください。

 句は『砂浜の砂がなくなることがあっても、世の中から盗人は、

     いなくならないよ』と言うわけですよね。

 

 それは、さておき、8日、9日と立て続けて、それもプリンターの

『カートリッジ』の判決が、最高裁から出ました。

 一方はキャノンで『勝訴』、他方はエプソンで『敗訴』

     この違いは、何を意味するのでしょうか?


 何のために、今日の枕が五右衛門の辞世の句かお分りでしょうね。


 私が言いたいのは、『特許でも,侵害や模倣は尽きない』と言うことです。

 だから、弁理士に『丸投げ出願』しないで、

     特許調査した上で、『特許の落とし穴』を埋めてから

          弁理士に頼みましょうと言うことです。

 それでは、本文をどうぞ!

 

■■■ ポイント ■■■

● リサイクル品の特許侵害に対し最高裁が新判断基準

    (以下、『日本経済新聞の記事』を利用しました)

  1 『特許製品を販売後でも、加工などで新たに製造された場合は、

       特許権を行使できる』

 2 『新たに製造したかどうかは、技術的機能だけでなく総合的に

       判断する』

 3 『インクカートリッジを新たに製造した行為は特許権侵害』

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以下、日本経済新聞の9日の朝刊の記事を利用させていただきました。        以下『  』内は、記事の引用部分です。


  なお、この事件は、1審では「インクの再注入は、修理の範囲内」

として、特許権侵害を否定され、キャノンが控訴した2審では

「特許権の本質部分を加工・交換しており侵害である」と逆転判決

された事件です。

 さらに、リサイクル・アシスト社が最高裁に控訴した事件の最終判決

です。

 

 先ず、11月9日の1面の見出しから

 『特許侵害、再生品も認定』『カートリッジ訴訟/キャノン勝訴確定、

最高裁が初判断』と、7段抜きで書かれています。

 『最高裁判決の骨子』として

『特許製品を販売後でも、加工などで新たに製造された場合は特許権を

行使できる』 (※ 坂井注釈:従来、販売後の特許商品には

                      特許権がなかった)

 『新たに製造したかどうかは、技術的機能だけでなく総合的に判断する』

 『インクカートリッジを新たに製造した行為は特許権侵害』

と書かれています。


 これは、最高裁の判決ですから、上告しようのない最終判決ですね。


 この事件は、キャノン製プリンターのインクカートリッジをリサイクル・

アシスト社が、カートリッジに開けた穴からインクを注入したものです。


  『最高裁判決の骨子』に付け加えた私の注釈

 (従来、販売後の特許商品には特許権がなかった)

のですから、最高裁がリサイクル品の再販売について

   「新しい判断基準」を示したわけです。

 

 従来は、いかに強い特許権のある特許商品でも、一旦販売すると、

その販売時点で「特許権が使い尽くされ、消えてなくなる」と、

解釈されていたのです(消尽説と言う解釈の理論です)。

 このように解釈しないと、流通経済が成り立たず、特許権者が特許

商品を全て販売しなければならないだけでなく、例え特許権者から

直接買ったとしても、その後で、「特許権侵害だ」と言われたら買った

人もおちおち使えないことになります。

 ところが、リサイクル品になると、「特許権者の優位性が半減する」こと

になりますから、特許権者のキャノンが訴訟を起こし一審でキャノンが

負けて控訴し、二審で逆転判決が出て、リサイクル・アシスト社が

最高裁に再度控訴し、今回の判断が下されたわけです。

 

 もう少し、記事を見ていきましょう!

 『判決では、「製品を加工し、特許製品が新たに製造された場合は、

特許権侵害となりうる」とリサイクル品を巡る侵害を初めて認定』した

のです。

 これは、画期的な判決ですね。

 注釈でも書いたように(従来、販売後の特許商品には特許権が

なかった)わけですから、特許権者にとって大変有利な判決なんです。

 

 さらに、リサイクル・アシスト社のカートリッジに開けた穴からインクを

再度注入したカートリッジは、

 『「発明の本質的を再現し、インク漏れ防止と言う効果を使用前と

同様に発揮させる」と認定。穴を開ける加工は「特許製品の新たな

製造」と指摘、侵害を認めた』 のです。

 ここで『「発明の本質的を再現し、インク漏れ防止と言う効果を使用前

と同様に発揮させる」と認定』と言うことは、「カートリッジに穴を開けず

インクを再注入」したとしても、「インク漏れ防止と言う効果」があれば、

特許侵害だ、と言うことになるのだろうと思います。

 したがって、リサイクル・アシスト社を始め他の模倣者が、「穴を開けて

インクを再注入するのではなく、別の方法でインクを再注入した」

としても、 『「発明の本質的を再現し、インク漏れ防止と言う効果を

使用前と同様に発揮させる」』と、特許侵害になるのでしょうね?

 

 その上判決は、『1、特許製品の属性(機能、構造、材質、耐用期間

など)、 2、発明の内容、3加工内容や交換部品の機能など、4、取引の

実情――などを総合的に考え、再製造と言えるか判断するとの基準を

初めて示した。』と言っています。

 

 このように、『総合的に考える』と言うことは、特許権者が、特許権を

より広く解釈して特許権侵害の訴えが起きやすくなるでしょうから先ほど

書いた「カートリッジに穴を開けずに、インクを再注入」したとしても、

「インク漏れ防止と言う効果」があれば、特許侵害だとして訴えられる

ことになるのでしょうね。


 いずれにしても、この判決は、特許権者にとって大変歓迎すべき判決

です。

 

 しかし、今まで通り「発明品を正規なルートで買って、再販売したり、

自分の発明品に組込んで販売』しても、特許侵害にならないことは、

言うまでもありません。

 

 

 さらに、記事に知財高裁大合議部が昨年出した判断基準が書いて

あります。

 『リサイクル品が、特許侵害に当たるケースとして、1、製品の耐用

期間が過ぎて効用がなくなった後に再利用された場合、2、特許の

本質部分が加工されたり交換された場合――』特許権侵害だ、

としています。

 

 

 ところが、8日、上記のような判決を出した翌9日、

 同じインクカートリッジのリサイクル品に対し(特許権の内容が違う)、

 エプソンの「特許は新規性がなく無効」であるとして、裁判の前提

となる特許権が否定されてメーカーが敗訴したのです。

 記事の見出しだけ見て「ナンダこれは???」と思われるのでは

ありませんか?

 この後半は、同じ日経新聞の10日の記事を引用して書きます。


 しかし、このまま書き続けると、またまた「長い長〜いながぁ〜〜い」

   「非まじめ・メルマガ」になりますので

 後半は、(2)として次回に回します。

 

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■■■ ポイント ■■■

● リサイクル品の特許侵害に対し最高裁が新判断基準

 1 『特許製品を販売後でも、

    加工などで新たに製造された場合は、特許権を行使できる』

 2 『新たに製造したかどうかは、

        技術的機能だけでなく総合的に判断する』

 3 『インクカートリッジを新たに製造した行為は特許権侵害』

 

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 発行元:原点発創研究所: 非まじめ発創塾
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 発行責任者:坂井 徳栄  himajime@apost.plala.or.jp

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