『ローテク商品で勝ち上がれ』

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      『ローテク商品で勝ち上がれ』
2007.9.19. #44 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
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 非まじめ塾の坂井です。

 今日も お読みいただきまして有り難うございます。
 ご質問や感想もいただけると、ハゲミになります。
 ゼヒ、送ってください。





 突然ですが、この数字、何でしょうか?
 
  34  30  34  28   32  ・・・‘07
  26  23  32  23   26  ・・・‘06

 実はこの数字、今年と去年の過去の気温の一部なんです。

 上段が今年で、下段が去年、左から9月15日、16日、17日,18日、
その次が4日間の平均気温で、6℃も高かったんです。

 その中で、15日の三条は、異常に高くて36.5度でした。

 越後の新潟は、灼熱の真夏日の連続です。
 もちろん、私の足元はパソコンの放熱で、40℃超?

 昨日は28℃で、今日からまたまた30℃を越えそうです。
 このまま行ったらミイラになっちゃうんでしょうか?

 やっぱり異常気象なんでしょうか?
 地球温暖化が進んでいるのでしょうか?

 それとも、たまたま今年が暑いだけなんでしょうか?



 先日、ホッチキスのマックスが、新しいホッチキスを発売した、と言う
どなたかのメルマガを思い出し、ホッチキスについて調べていたんですが、
その中に
日経ナビ2009の記事『客の声生かし続け半世紀(ブランド深化論)』
がありました。

 マックス鰍フ新商品ホッチキス(「サクリフラット」)の記事です。

 残念ながら、日経ナビ2009のこの記事は、一両日前に削除され見れなく
なりました。(私が保存していたものを使います)



 18日は、28℃と気温もチョッと落ち着いたので、メルマガをまとめて
アップしようと思ったのですが、3連休明け、私のところにもド〜っと、
メルマガが入ってきます。

 アッ! 連休明けでメルマガが多いんだ。
 このままアップしたのでは、見落とされかねない、と気づき、
1日遅れの19日、今日アップしました。





 先ずは、先ほどの記事の引用から入ります。

・・・ 以下引用開始 ・・・

『客の声生かし続け半世紀(ブランド深化論)』

 マックスは使いやすさに徹底的にこだわった商品作りに取り組んでいる。
集大成が十日に発売する「マックス ホッチキス」シリーズの「サクリ
フラット」だ。従来の二分の一の力でとじる機能に加え、とじた針の裏側を
平らにしたり、つぶれた針を抜きやすくしたりする機能を詰め込んだ。
消費者の声を生かした商品作りは、ホチキスを作って半世紀を超える今も
変わらない。

 七月、東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた「国際文具・紙製品展」に
出店したマックスのブース。ホチキスで二十枚つづりの紙をとじる女性の
来場者からは感嘆の声が相次いだ。二十枚つづりの紙とホチキスを渡されると、
反射的に両手を使おうとする。「片手でどうぞ」。社員に促されて半信半疑で
試すと、女性でも片手で済む軽さに驚きを隠せない。

 顧客が手にしていたのは、三月発売のホチキス「サクリ」。本体内に二つの
支点を組み込んだテコの原理で、とじる力を50%削減した。両手に力を
込めずに片手で楽にとじられる軽さで、人気が広まった。

 マックスは55年前に日本で初めてホチキスを発売。この半世紀は使い
やすさの追求の歴史でもある。その好例がサクリフラットの開発だ。

 サクリ発売後、ある女性の声が本社に寄せられた。
「サクリに、フラットとじ機能があればいいのに」。
マックスは既にとじた針の裏側を平らに仕上げる同機能を開発していた。
裏側に突き出た針を平らにすることで、書類を重ねてもかさばりにくくする
便利な仕組みだが、サクリ以外の商品に導入していた。

 実は、二つの機能を一台に納めた商品の開発は、2006年8月から進めて
いたが、試行錯誤を続けている最中だった。既にある二つの機能を合体させる
だけでは新味に欠けると考えていたからだ。だが、女性の声を契機に、新たな
使い勝手の良さ(これが重要)を追加した新製品の開発を急ぐことにした。

 新商品の開発では非営利組織(NPO)の日本ユニバーサルデザイン研究
機構に調査を依頼。他社製品、既存品、試作品を手にした消費者の行動を観察
した結果をもとに、議論を重ねた。ある社員が被験者がつぶれた針を取り除く
のに苦労していた点に着目。食い込んだ針を取り除くには強い力が必要だが、
力を入れすぎると取れた針が飛び散る。針抜き部分を改良できないかと考えた。

 「つぶれた針の下に差し込む金属部と針の上をおさえる樹脂部の二重構造に
すれば、抜きやすく飛び散りにくくなるのではないか」。早速試作品を作り、
効果を確認。量産用の金型に反映させた。

 針抜き部を二重構造にするだけの簡単な設計変更だが、つぶれた針を外す
作業は格段に楽になる。「たかがホチキス、されどホチキス」。商品開発を
担当の佐々木高行氏がふと漏らした一言に自負がにじむ。

 ただ、日用品ならではの課題はある。ホチキスは「40年前の型を今でも
使う消費者がいる」ほど耐久性が高く、買い替え頻度が低い。店頭で売られて
いても実際に手にとってとじてみなければ、性能を実感しにくい。こうした
日用品の課題は今後も変わらないが、思わず買いたくなるホチキスを目指して
同社は改良を続ける。

 ・・・ 引用終了 ・・・ 下線は、筆者加入



 この記事を見て、あなたは、何を感じられますか?


 私が注目することは、次の2点です。
(マックスURL:http://www.max-ltd.co.jp/より作成)

 1.55年前に日本で初めてホチキスを発売
   (今売られているシック・10の原型は、昭和27年に発売)

 2.女性の声を契機に、新たな使い勝手の良さを追加した新製品の開発



 先ず始めに、1.55年前に日本で初めてホチキス(シック・10は、
昭和27年)を発売

 何よりも重要なことは、50年前に発売された『シック・10』が、
今でも売れ続けている、と言う点です。

 この『シック・10』は、ご存知のとおりローテク商品そのものです。
 しかもこの『シック・10』の現在の日本市場のシェアは、約75%と言う
驚異的な数値です。

 寡占状態だと言われたかってのキリンビールの国内シェアでさえ60%程度
でしたからシェア約75%は、驚くべき数値なんです。


 つぎが、 2.女性の声を契機に、新たな使い勝手の良さを追加した
新製品の開発

 上記ホームページによると、
 ・・・・・MAX・10、HD−10(昭和48年)・・・
基本性能は変えずに、使い勝手の向上に工夫を重ねてきました。
 ・・・・・現在は10号ホッチキスの国内シェアは約75%とお客様の
信頼を得ています。新技術で新市場を創造するマックスは
「使う人が満足するモノづくり」にこだわり続けます。



 一女性の声から『使い勝手の良さ』を追求し、『使う人が満足するもの
づくり』にこだわり続ける同社の姿勢が、消費者に受け入れられ、約75%と
言う脅威的な国内シェアとなっているのでしょう。

 しかも、技術的には、ありふれたローテク技術で、『単なる技術の組合せ』
ではなく、『価値のある技術の組合せ』として消費者の信頼が得られる商品を
提供し続けている、と言うことです。





 ここで、ホッチキスの歴史をマックス社の『ホッチキス物語』を使って
簡単に振り返ってみましょう。
  http://wis.max-ltd.co.jp/op/h_story1.html

 何とホッチキスは、機関銃の発明者で米国人のベンジャミン・B・
ホッチキス(1825−1885)によって発明されたそうです。

 B・ホッチキスは、機関銃の弾送り機構をヒントにホッチキスの針送り
装置を発明したのです。


 日本では、特許公報によると明治44年垣内清八氏が「自動紙綴器」を
発明し、さらに、大正元年天野修一氏らが「A式紙綴器」として発明して
おります。


 その後も、さまざまな改良発明が続きました。

 そして、戦後のホッチキスの幕開けは、零式戦闘機の尾翼部品メーカー
山田航空工業(株)(現:マックス(株))の発展とともにあります。


 昭和21年、山田航空工業(株)は、平和産業に転換するとともに社名を
山田興業(株)に改め、現在のHD−3ホッチキスの原型3号の生産を
開始しました。


 ホッチキスの生産開始から6年、昭和27年7月に、手の中にスッポリ
収まり、片手で紙をとじられる現在の小型ホッチキスSYC・10(シック・
10)を発売したのです。

 これが、同社の発展の基礎を築いた新商品です。


 従来は、ホッチキスを紙綴器と言い、部や課で購入する事業所向けの用度品
でしたが、このSYC・10は小型、軽量で指先の力で綴じることができる
画期的な製品で、価格も200円と低価格で、学校、家庭へと急速に普及し、
数年の内にホッチキスは一人一台が常識の文房具になったのです。


昭和29年、社名を現在のマックス(株)変更するとともにシック・10も
MAX・10に変更し、ホッチキスの改良の歴史が始まったのです。

 しかし、MAX・10の基本性能は、50年間守り続け、
使い勝手の向上に工夫を重ねてきました。

 現在は、日本中だけでなく世界中のオフィスや家庭で愛用されています。



 以上が、ホッチキスの大雑把な歴史です。





 マックス鰍フホッチキスの特徴を同社の『ホッチキス物語』を編集し
転用します。
http://wis.max-ltd.co.jp/op/h_story2.html

 同社のホッチキス(MAX・10)の特徴の概略を簡単に説明しましょう。
※ できたら、同社のホームページをのぞきながらお読みください。

 1) ホッチキスは、細長い板であるクリンチャーアームと言うベースの
一端に、これまた細長い板からなるハンドルが、開閉できるように取付け
られています。

 2) このベースとハンドルの間にコの字形の針が装着できるマガジンが
取付けられ、装着されたコの字形とじ針の針を常に前方に押す出すように
針押しバネ(コイルばね)が取りつけられています。

 3) ベースの先端に、湾曲したW形(2つのUを押しつぶして連結した形)
の溝を持つクリンチャーと言う板が取付けられています。

 4) ハンドルの先端には、クリンチャーアームのクリンチャーに向かって
とじ針を1本ずつ押し出すドライバと言う板が取付けてあります。

5) このような構造のホッチキスに装着された針は、ドライバによって
押し出されますからクリンチャーとマガジンの間に紙をはさんでおき、
指の力でドライバを押し下げると、針が紙を貫通します。

 6) さらにドライバを押し下げると、とじ針の先端は紙を貫通しながら
クリンチャ(曲げ台)に当たり、溝に沿って曲げられます。

以上が、当初のホッチキス(MAX・10)の基本構造ですが、この構造の
ホッチキスでとじたときの綴じ針の両先端は、U字型に盛り上がっており、
とじ針でとじた書類を重ねると、片側が厚くなって大変不便でした。



 この不便さを解決したのが、フラットクリンチ形ホッチキスです。
 このフラットクリンチ形ホッチキスも簡単に説明しましょう。

 従来のMAX・10形ホッチキスと、フラットクリンチ形ホッチキスの
違いは、クリンチャーの構造とその作用の違いです。

MAX・10形ホッチキスのクリンチャーは、1枚の板にWを押しつぶした
形の溝が掘られており、紙をとじたときのとじ針の両先端がU字型に盛り
上がってしまいました。


一方、フラットクリンチャー形ホッチキスで紙をとじたときのとじ針の先端は、
名前のとおりフラットすなわち平らになるのです。

 紙をとじたときのとじ針の先端を平らにするようにしたフラットクリンチャー
形ホッチキスのクリンチャーの構造は、以下のとおりです。

 ベースであるクリンチャーアームの先端に断面コ状の台座を取付けます。

 このコ状の台座の中央に湾曲したW形(2つのUを連結した形で、MA]・
10よりも浅い)の溝を持つ突起すなわちクリンチャーを取付けます。

 このコ状の台座の両内側と、クリンチャーの間には、隙間があります。

 このコ状の台座の両内側と、クリンチャーの間の隙間に、上下に動くクリン
チャーガイドが取付けてあります。

 構造としては、これだけと言ういたってシンプルなものです。


 こうした構造を持つホッチキスのクリンチャーガイドと、ハンドルの先端の
ドライバーの間に紙を挟み、クリンチャーアームのクリンチャーに向かって
ドライバーを押し付けます。

 コ状のとじ針が紙を貫通し、とじ針がクリンチャーガイドの溝に当たるまで
押し続けると、とじ針の先端が徐々に折れ曲って紙の裏面に密着すると、完了
です。

 フラットクリンチャー形ホッチキスのクリンチャーの溝が浅くできているため、
とじ針の両先端は紙の裏面と平行になるのです。


じゅうらいのホッチキスMAX・10でとじた書類の厚さに比べ、フラット
クリンチャー形ホッチキスでとじた書類の厚さが、約25%薄くなりました。





ホッチキスにはさらにさまざまな紙を綴じる工夫がされています。

例えば、ホッチキスの命であるクリンチャーの溝には焼き入れをほどこし、
金属の表面を硬くすることで溝のキズ・摩耗を防いで、いつまでも針が
スムーズに曲がるようにしています。

また、とじ針にクリンチャの溝に沿って曲がりやすく、しかも、紙に貫通し
しやすいと言う2つの相反する性格を持たせています。

この2つの相反する性格を持たせるためとじ針の断面の縦横の寸法比率を
3対5にしているのです。

 これは平たい方に曲り易く、厚い方に曲がりにくい原理を使っています。


さらに、ホッチキスで軽々と紙をとじるために『てこの原理』を存分に
利用してパワーアップをはかっています。



 そして、極め付けが、このメルマガの最初にお話した
『客の声生かし続け半世紀(ブランド深化論)』
 マックスは使いやすさに徹底的にこだわった商品作りに取組んだ
「サクリフラット ホッチキス」と言うことです。


■■■ ポイント ■■■

● たとえローテク商品であっても、消費者の『小さな声』に
敏感に反応して、改良し続ければ、偉大な成果が得られる。

● マックス鰍ヘ、消費者の『小さな声』に反応し、
新たな使い勝手の良さを追加した新製品の開発を続けた。
「使う人が満足するモノづくり」にこだわり続けた。

● 消費者の小さな声を見逃さずに聴き、現在の商品を観、
目的を追求・展開し、追及し・展開した目的を実現する
価値のある技術の組合せ!

● 商品開発は、継続が命!
その行く先に『小さな巨人』と言う金字塔が立つ!

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


【あとがき】

最後までお読みいただきまして、本当に有り難うございました。

分りやすかったでしょうか?


それにしても、最後は自分でも驚き呆れる『立派な能書き』になりました。



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