『ねじ』を非まじめに発創すると・・・

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     『ねじ』を非まじめに発創すると・・・
2007.9.4. bS3 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
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 非まじめ塾の坂井です。

 今日も お読みいただきまして有り難うございます。
 ご質問や感想もいただけると、ハゲミになります。
 ゼヒ、送ってください。





 『光陰 矢の如し』といいますが、ホントに月日のたつのが早いですね。

 もう9月ですよね!
 暑い夏も終わりました。
 2007年も2/3終わってしまいました。

 過ごしやすい秋です。
 今年の猛暑で、こりゃ〜夏ばてするかな、と思っていたのですが、意外と持っています。
 私も、案外シブトイようです。



 案外シブトイ私だが、コンピュータ操作が、からきしダメ!
 htmlなんて、さっぱりです。

 プロバイダーの応援を頂いて、ようやく立ち上げたブログのホームページでさえも手に余る私です。

 ホームページもワードさえ知っていれば書けるようにならないものかと、思っていました。


 ところが、ところが、wikiを使って『ワードさえ知っていれば』書けるホームページを開発した人がいるらしい!

 私のようなIT音痴には、福音です。

 私も、早く、手に入れたい。



 といったわけで、IT業界は、どんどん進化しているようですが・・・・・
 技術の進化は、『早、安、軽、小、便利・使い良い・・・「不」の解消』に向かって進んでいます。

 しかし、技術の進歩で『早、安、軽、小』で差別化することは、ほとんどできなくなり、『他社が開発する前に如何に早く開発するか』が重要になってきました。

 残された今一つの方向は、『便利さ・使いよさ』の提供です。
 知識がなくとも使えるようにした商品です。



 たとえば、1906年(明治39年)の京都の野口さんの「十字形溝螺旋鋲」(特許第11466号)があります。

 この発明は、従来のマイナスドライバーでマイナスネジを回すとき、ドライバーの先端をネジのマイナス溝にキチンとはめないと、このマイナス溝が傷つき使えなくなる、と言う「『使いづらさ』と言う『不』の解消」なんですね。



 残念ながら野口さんの発想は、「十字形溝螺旋鋲」の発明で終わってしまいました(出願図には十字ドライバーの先端が書いてあったにもかかわらず)。

しかし、アメリカでは、H・F・フィリップスさんの「プラスのネジ」と「プラスのドライバー」が、野口さんに遅れること28年後の1936年に登録になったのです(米国特許第2046837号)。



 当時の日米特許制度の違いからやむをえなかったのでしょうが・・・・・
もう少し詳しく見ていきましょう。

H・F・フィリップスさんも野口さんと同じようにマイナスネジの「使いづらさと言う不」に気づきプラスネジを発明しました。


 しかし、フィリップスさんは、単にプラスネジの発明だけでは終わっていなかったのです。
・・・この考え方が、特許権を強くするために大変重要なんです・・・



 フィリップスさんの出願書類を見ますと、先ず始めに、プラスネジと、プラスドライバーが出てきます。

 ここまでは、基本的に野口さんの発明と同じです。

 しかし、ここから先がフィリップスさんは違うんですね。

 プラスのネジのほかに△ねじも、☆ネジも書き込んだ上に、△ドライバーも、☆ドライバーも書き込み、「ネジ」と「ドライバー」の権利を主張した『請求項』を書き込みました。



 前回の『非まじめ・メルマガ』で書きました犬養弁理士の『ピラミット型発創』そのものです。

 と言っても、チョッと分りつらいでしょうからこの「ネジ」と「ドライバー」を使って『ピラミット型発創』説明します。



 甲子園の高校野球も終わりましたが、ここで高校野球のトーナメント図を思いだしてください。

 先ず始めに、トーナメント図の優勝校の位置に「ネジの頭部」を入れてください。

つぎに、準決勝の位置の一方に「マイナス溝」を入れます。


 ここで、「マイナス溝の目的」を考えましょう。

 そのために、「ネジのマイナス溝の本質」を考えてください。


 「ネジのマイナス溝の本質」は、「外周にねじ溝が形成されたネジ本体を、ねじの頭部に当てたドライバーで回すことで、ねじを目的物にねじ込むため、ねじ頭部に形成された段差あるいは抵抗体」である(チョッと長くて分りづらい言い方でゴメンなさい)。

 簡単に言うと、「ネジのマイナス溝の本質」は、「ねじ頭部に形成された段差あるいは抵抗体」と言うことですね。

もっと具体的な形でいうと、「マイナスネジの頭部のマイナス溝は、ネジ頭部の中心から対向する放射方向に向かう2つの凹部」である。・・・1

  ※ 「溝に限定されていない」ことが重要です。
 ※ この「目的」をどう表現するかで、
開発商品が全く変わってきますから気をつけてください。



 「ねじ頭部に形成された段差あるいは抵抗体」または「ねじ頭部に形成された凹部」として「マイナス溝」以外にどんな形が考えられるでしょうか?

 △形、□形、☆形・・・多角形、楕円形、D形・・・地図の銀行マーク形・・・・・等無限に出てきますね。

 こうやって無限に出てきた「段差あるいは抵抗体」のうち低コストで作れて、絶対にマネられたくないものを拾って下さい。

 たとえば、△□☆形などがそうですが、これらをもう一ひねり表現しなおしてみましょう。


 「ネジの頭部の△□☆形などの溝は、ネジ頭部の中心から外周方向に向かう3以上の凹部」である。・・・2


 さぁ〜、これで「マイナス溝」と、「3以上の凹部」に大別されました。
 1と2ですね。

「マイナスネジの頭部のマイナス溝は、ネジ頭部の中心から対向する放射方向に向かう2つの凹部」である。・・・1

 「ネジの頭部の△□☆形などの溝は、ネジ頭部の中心から外周方向に向かう3以上の凹部」である・・・2

 ※ ほかの言い方もあるでしょう。



 先ほどのトーナメント図に戻りましょう。

準決勝の位置の一方に「マイナス溝」を入れましたが、まだ、もう一方の準決勝が決まっていませんでした。


 準決勝の位置の一方に(1)の「マイナス溝」が入っています。

 準決勝の位置の他方には(2)の「3以上の凹部」を入れてください。

 さらに、(2)のほうの準々決勝の位置に、「△」「□」「☆」などの複数の形を入ります。

 普通のトーナメントと違うのは、準々決勝の勝者が、「△」「□」「☆」などのうちの1つではなく「△」「□」「☆」などの統合された「3以上の凹部」だということです。

 統合された「3以上の凹部」だから強い特許権が取れるのです。
 戦国武将の「3本の矢」の教えのとおりですね。

 この例では、『崩れたピラミット型』ですが、強い特許権をとることが目的ですから形にこだわらないことです。


 優勝者は、当然のことながら「3以上の凹部」ですね。





 これで終わりではありません。

 上記説明は、「ねじ」のことだけですが、せっかくトーナメント図を使って「ねじ」を検討したのですから、さらに欲張って「ドライバー」も検討してください。

 この場合、「ねじ」が「ドライバー」に変わっただけで、検討経過は全く同じです。
 と言うことは、2つの「トーナメント図」ができたわけですね。


 平成に入ってから毎年のように特許法が改正されています。

 その結果、上記「ネジ」と「ドライバー」の場合は、1本の特許出願でできるようになりました。


 その上、請求項を、5つでも、10でも・・・100でも書けるようになったのです(請求項を100も書くと経費が大変ですが・・・)。

5〜10くらいの請求項ならそれほど驚くことはありませんから「強い、マネられない特許権を取る」ためには、5〜10くらいの請求項で特許出願しましょうね。

 でも、実用新案で出すことは、止めたほうが良いですね。
 思ったほど安くないばかりか、審査もしない届出制ですから、権利じゃないんです。
   ・・・ 誤解しないで下さいよ! ・・・



 と言うことで、今日の『「ねじ」を非まじめに発創すると・・・』はここまで。

■■■ ポイント ■■■

● 今売れている商品を「トーナメント図」で考え直して見よう

● 先ずは、「目的の追求」から
  「目的の本質」をどう表現するかで、得られる特許権が、強くも弱くもなる

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【あとがき】

 最後までお読みいただきまして、本当に有り難うございました。

 分りやすかったでしょうか?

 今日の「非まじめ・メルマガ」は、前回の『ピラミット型発創』が分りづらい、と言う読者から頂いたメールにお答えしました。


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