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ピラミット型発創で強い特許権を取れ!
2007.8.21. bS2 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
◎●◎ http://www.himajime11.com ◎●◎
非まじめ塾の坂井です。
今日も お読みいただきまして有り難うございます。
ご質問や感想もいただけると、ハゲミになります。
ゼヒ、送ってください。
お暑うございます。
あつい、暑い夏休みも終わりですね。
新潟は、8月1日にようやく梅雨が明け、
それ以来、ズ〜〜〜と、ズ〜〜〜と、連日30度超!
特に、お盆前後は、35〜6度です。
私の仕事場は、風通しが良いことを幸いに、クーラーナシなんですが、
扇風機をかければ、窓から入ってくる風が、熱風です。
足元には、パソコンと言う暖房機、仕事環境は、40度を越えています。
挙句の果てに、痛み止め用アルミ箔が、両膝に巻かれています。
織田勢に焼き討ちされた甲斐の恵林寺で「心頭滅却すれば火もまた涼し」と
言って座禅しながら焼け死んだ快川紹喜(かいせんじょうき)禅師のようには
参りません。
地獄の酷暑、完全に思考停止状態!・・・実にダラシナイ!
せめて、体機能停止にならないよう気をつけます。
これじゃ〜『非まじめ・メルマガ』もまとまらない!
『不まじめ・メルマガ』になりそう・・・助けてぇ〜!
早々と来年の話し、クーラーを入れよう・・・?!
今日は、最初に、記載ミスのお詫びです。
山田康生著:『自分の特許は 自分で守れ』発明協会
として引用して参りましたが、
犬養新平著:『自分の発明は 自分で守ろう』発明協会
の誤りでした。
お詫びして訂正させていただきます。
ホームページのトップ頁の掲載も訂正しました。
私の『思い込み』と『記憶違い』の結果でした。
申し訳ありませんでした。
この本は、すでに絶版になっているようですが、アマゾンを見ると
ユーズド商品として8円から数冊出品されているようです。
この犬養新平著:『自分の発明は 自分で守ろう』には、
どんな明細書を書けば、特許権が強くなるか、
について色々なことが書かれています。
しかし、これは、自分で明細書を書けることを前提に説明したもので、
特許が分らない、明細書が書けない人にとっては、宝の持ち腐れになり
かねません。
宝の持ち腐れになりかねない、とは言うものの、使い方次第です。
特許が分らない、明細書が書けない人は、
犬養弁理士の考え方をゼヒ、マネして欲しいものです。
犬飼弁理士の考え方を理解できれば、特許が分らなくとも、
明細書が書けなくとも、強い特許権が取れるヒントが満載です。
1例をこの著書から引用して、説明を加えてみましょう。
題して『ピラミット型発創で強い特許権を取れ!』
早速、犬養著:『自分の発明は 自分で守ろう』124〜126ページ
『ピラミット型概念構成による明細書の書き方』から引用します。
<引用1開始>
1.従来の明細書の書き方
従来の書き方で最も多く見られますのは、例えば、実施例としてa、b、c
・・・nの具体的な名称があるとき、請求範囲にはこれらの一部、例えば
a、c、f、gとそれら相互間の有機的結合関係を記載し、実施態様項として、
aに対する形状、材料、位置などの限定条件を加えていくものです。これでは、
具体的部品を要件としているため、これらの要件を変更して他人に実施され
やすいでしょう。
<引用1終了>
弁理士の書いた文章なので、何ヶ所か専門用語が使われていますので、その
専門用語を簡単に説明しておきましょう(正確な表現ではありません)。
「有機的結合関係」:2つ以上のものの間の結びつき
「実施態様項」:ねじ、コイルスプリングなどの具体的部品名を使って
説明した実施例による特許の権利範囲の狭い請求項
「限定条件」:権利範囲を狭く限定すること
権利範囲の広狭は、数式で表すと次のように書ける
例 ⇒ コイルスプリング < スプリング < 弾性体
下位概念 < 中位概念 < 上位概念
もっと具体的に知りたい方は、私のホームページの記事を見てください。
『宅配便の送り状』
⇒ http://www.himajime11.com/article/10919739.html
『マジックテープ』
⇒ http://www.himajime11.com/article/10907570.html
『窓用換気扇』
⇒ http://www.himajime11.com/article/10905573.html
<引用2開始>
これを避けるために次に多く見られるのが、請求範囲を抽象的にするもの
です。例えば図3−1のごとく(省略)、前記実施例における部品を複数の
グループS、T、U、Vに明示せず、又は明示してわけ、これらに抽象的名称
を付します。そして、請求範囲の構成要件項にこれらの名称と相互間の有機的
結合関係を記載し、実施態様項には、実施例によるa、bなどを加えます。
このやり方は要件が抽象的ですから範囲が広くなりますが、実施例と構成要件
項との概念の広さの差が大きく、これらの関係が不明瞭となりやすく、実施例
程度に狭く解釈されるおそれがあります。
<引用2終了>
この書き方による具体例として有名なのが、「貸コインロッカー」ですが、
特許請求の範囲には、抽象的で広い概念の書き方がされていたのですが、残念
ながら具体的な実施例は、ただ一つ。
それも、『キーを入れてまわすと、丸棒でつくったクランク構造が動いて
コイン投入口が開く』実施例が書かれているだけで、ほかの説明がありません
でした。
模倣者は、『クランク構造』を使わずに、『凹凸のある平板に何個かの突起を
つけキーで操作する構造』の商品を発売しました。
当然のように裁判になったのですが、特許権者の明細書には、『丸棒で
つくったクランク構造』しか書いてなく、『平板構造』には全く触れていません。
その結果、判決は、『実施例そのものが特許権』であるとして模倣者のものは、
特許侵害にならず、無罪放免でした。
出願人としては、さぞや悔しかったことでしょうね。
出願が、無料の情報提供になったのですから・・・・・!
それでは、犬飼弁理士は、どんな解決策を示しておられるのでしょうか。
あなた様の興味は、この一点にあることでしょうね。
早速引用してみましょう。
<引用3開始>
2.ピラミッド型による書き方
本ピラミッド型による書き方は図3−2(省略:メルマガに書けません)の
ごとく、実施例による多くに下位概念たる部品a、b・・・・・の複数ずつを
主として機能によりまとめて第2中位概念による名称S11、S12・・・を
つけ次にこれらの複数ずつを主として機能によりまとめS1、S2・・・等の
第1中位概念、更に同様にしてS、T、U、V等の上位概念による名称を付し
ます。このように、技術要素概念を下位から中位、上位までのピラミッド型に
配列します。
そして、請求範囲には上位から下位へと徐々に概念を狭くして記載します。
例えば第1項にS、T、U、Vと、これらの相互間の有機的結合関係を記載し、
第2項には、S1、S2の条件を加えるごとくです。これによって、図面に示す
下位概念の技術から思いつく多くの変形を含めることが可能となりましょう。
<引用3終了>
犬飼弁理士の『自分の発明は 自分で守ろう』は、実際に明細書を書こうと
される方々のための入門書ではあります。
とは言うものの、すでに特許の基礎を身につけ、明細書も書いた経験のある
人々用の入門書です。
特許が分らず、明細書を書いたことのない方々にそう簡単に理解できません。
それを承知で、同書から3つの文章を引用しましたが、これだけでは難しい
でしょうからもう少し説明します。
<引用1開始>
1.従来の明細書の書き方
従来の書き方で最も多く見られますのは、例えば、実施例としてa、b、c
・・・nの具体的な名称があるとき、請求範囲にはこれらの一部、例えば
a、c、f、gとそれら相互間の有機的結合関係を記載し、実施態様項として、
aに対する形状、材料、位置などの限定条件を加えていくものです。これでは、
具体的部品を要件としているため、これらの要件を変更して他人に実施され
やすいでしょう。
<引用1終了>
ここは、一般に、特許が分らない中小企業の方々が開発したアイデアそのもの
といって良いでしょう。
aと、bと、cと言う3つの具体的部品を使ったアイデアが出たとき、その
アイデアを基に試作品をつくったら上手くいった。
よしこれを特許出願しようと、早速図面を書いて特許事務所に走ります。
勿論、事務所で説明するのは、このa、b、cと言う3つの部品を使った
アイデアだけになります。
弁理士は、発明者から説明されたアイデアをもとに出願します。
当然、この出願は、実施例が1つです。
弁理士もガンバッテ明細書を書き、拒絶理由通知に対応して特許権を取って
くれます。
しかし、模倣者は、サルモノ、ヒッカクモノ、特許の落とし穴、盲点をついて
マネしてきます。
特許の落とし穴、盲点をつかれたら、特許権は、役に立たないのです。
堂々とマネしても良いのです。
ところが、このアイデアと『同じ目的で、同じ効果が得られるアイデア』
として、よく考えてみると、a、c、f、あるいは、a、c、gと言うアイデア
もあったのだ。
と言うのが、私が、『特許の落とし穴』として取り上げた
『宅配便の送り状』
⇒ http://www.himajime11.com/article/10919739.html
『マジックテープ』
⇒ http://www.himajime11.com/article/10907570.html
『窓用換気扇』
⇒ http://www.himajime11.com/article/10905573.html
の事例です。
これへの『自分の発明は 自分で守ろう』の一時回答が、<引用2>です。
飽くまでも一時回答で、最終回答ではありません。
<引用2開始>
これを避けるために次に多く見られるのが、請求範囲を抽象的にするもの
です。例えば図3−1のごとく(省略)、前記実施例における部品を複数の
グループS、T、U、Vに明示せず、又は明示してわけ、これらに抽象的名称
を付します。そして、請求範囲の構成要件項にこれらの名称と相互間の有機的
結合関係を記載し、実施態様項には、実施例によるa、bなどを加えます。
このやり方は要件が抽象的ですから範囲が広くなりますが、実施例と構成要件
項との概念の広さの差が大きく、これらの関係が不明瞭となりやすく、実施例
程度に狭く解釈されるおそれがあります。
<引用2終了>
弁理士もプロですから、出願人から説明された範囲で、できるだけ広い、強い
特許権を取ろうと勤めます。
しかし、弁理士は、発明者でもないし、出願人の頭の中まで見えるわけが
ありませんから出願人が認識していないアイデアまで広げることはありません。
例えば、請求項を板ばねやコイルばねを上位概念の抽象的に表現して「ばねや
弾性体」としたところで、実施例が、「a、b、cと言う3つの部品を使った
アイデア」だけの場合は、明細書の説明が不十分になりやすいのです。
明細書の説明が不十分だと、前に説明したとおり、『特許の落とし穴』に
ドップリとはまりやすいのです。
『特許の落とし穴』にはまり、特許裁判に負ければ、誰が、どうマネようと、
文句を言えません。
『宅配便の送り状』、『マジックテープ』、『窓用換気扇』に書いたとおり
です。
そこで出てくるのが、<引用3>ですが、これは飽くまでも出願人がやるべき
仕事なんです。
弁理士に、そこまで要求できないし、例え要求しても、弁理士は決して応じて
くれないでしょう。
<引用3開始>
2.ピラミッド型による書き方
本ピラミッド型による書き方は図3−2(省略:メルマガに書けません)の
ごとく、実施例による多くに下位概念たる部品a、b・・・・・の複数ずつを
主として機能によりまとめて第2中位概念による名称S11、S12・・・を
つけ次にこれらの複数ずつを主として機能によりまとめS1、S2・・・等の
第1中位概念、更に同様にしてS、T、U、V等の上位概念による名称を付し
ます。このように、技術要素概念を下位から中位、上位までのピラミッド型に
配列します。
そして、請求範囲には上位から下位へと徐々に概念を狭くして記載します。
例えば第1項にS、T、U、Vと、これらの相互間の有機的結合関係を記載し、
第2項には、S1、S2の条件を加えるごとくです。これによって、図面に示す
下位概念の技術から思いつく多くの変形を含めることが可能となりましょう。
<引用3終了>
メルマガで図面や表を上手く書けないので、言葉で説明します。
あなたは、高校野球の対戦がトーナメント式であることをご存知ですよね。
抽選で組合さった勝者同士が対戦して勝ち上がって行く、あの表です。
頂点に立つのが、優勝校です。
この優勝校の位置に<引用1〜3>の記号を当てはめてください。
優勝校の位置にくるのが、S、T、U、Vです。
優勝校の位置にくるのが、S、T、U、Vと複数あるのですが。
そして、準決勝の位置に来るのが、Sの場合S1、S2・・・と言うことで、
Tの場合がT1,T2・・・となるわけです。
更に、準々決勝の位置に来るのが、それぞれS11、S12・・・、T11、
T12・・・と言うことになります。
※ 恐縮ですが、脇のメモ用紙にチョッと書いてみていただくと、
分りやすいです。
さて、さて、この、引例3にしたがって他のアイデアを考えていくと、
何十と言う変形アイデアが出てくる可能性があります。
参考までに、書いておきますが、
私が見た特許公報の中に、請求項が263、A―4版で45頁、詳細な説明が
96頁、図面が507図という面震構造の特許出願がありました。
しかも、特許情報図書館では、図面は膨大で表示できませんと言ういわくつき
です。
参考までに、弁理士から出願するとどれくらいの出願費用がかかるか
概算で計算してみました。
特許出願料、610万円、審査請求料、105万円、合計715万円。
いかがですか?
これは、特殊な例とは言うものの、ムヤミヤタラと、実施例を増やすわけには
いかないのです。
この本に書かれているピラミット型発創は、別名『鈴なり発創』などと
言われるもので、私が『非まじめ発創』と名づける前に『0ベース発創』
としていたころお客さんに説明しておりました。
もちろん、今でも特許権を拡張・強化するときに使っています。
このやり方は、新商品開発用と言うよりは、
特許権を拡張・強化用に使うと、効果的です。
先ほども書きましたが、数十の改良アイデアが出てきたと、喜んでばかりは
おれません。
面震構造の特許のような出願をしたら、売れる前におかしくなりかねません。
それでは、何を基準に明細書に実施例を書けばいいのでしょうか?
それには、1.絶対にマネられては、困るアイデア
2.マネられては、困るアイデア
3.マネられたくないアイデア
4.マネられてもやむを得ないアイデア
5.マネられても良いアイデア
(コスト・効果などに難点があって)
と言う風に、出てきたアイデアをランク付けしてください。
(できたら弁理士とも相談したほうが良いでしょう)
こうやってランク付けしたアイデアの各ランクにアイデアが1つずつと言う
わけではありません。
1つと言うこともあるし、3個、5個、10個・・・と言うこともあるし、
時には0個のランクがあったって良いんです。
さぁ〜! アイデアのランクつけもできました。
このランクつけしたアイデアのうちどれを実施例として明細書に書きま
しょうか。
出願予算次第ですが、予算が豊富なら
1.絶対にマネられては、困るアイデア
2.マネられては、困るアイデア
3.マネられたくないアイデア
まで書きたいものです。
出願予算が、厳しいときは、1.絶対にマネられては、困るアイデア
に絞ったり、全てのアイデアに良い評価を得られないときは、特許出願
そのものを取りやめても良いんです。
■■■ ポイント ■■■
● 『ピラミット型発創』で出願するアイデアができたら上位概念を考えよう
下位概念 < 中位概念 < 上位概念
コイルばね < ばね < 弾性体
● 出願するアイデアと同じ目的で、同じ成果が得られる違うやり方を考えよう
● 出てきた多数のアイデアをランク分けし、
絶対にマネられては、困る複数のアイデアを実施例に書こう
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【あとがき】
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発行元:原点発創研究所: 非まじめ発創塾
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発行責任者:坂井 徳栄 himajime@apost.plala.or.jp
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