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知っ得 特許で マネられな特許権 その2
2007.2.28. bQ9 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
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非まじめ塾の坂井です。
今日も お読みいただけまして有り難うございます。
ご質問や感想もいただけると、ハゲミになります。
ゼヒ、送ってください。
今日は、2月28日、2月も終わりですね。
越後の三条、フキノトウが出ました。
早い! 速い!
この勢いだと、今年の夏は、
熱帯地方並みに真夏日が100%
なんてことにならないでしょうか !!!
心配です。
さて、前回に引き続いて
「知っ得 特許で マネられな特許権 ! その2」です。
それでは、本題にまいりまぁ〜す。
どうか、最後まで読み進んでくださぁ〜い!
では、始めます。
先ずは、特許法「第29条の2」です。
※ 引用した法律文は傾斜文字で書きます。
長い上に分かり難い条文です。
条文は、読まなくても、覚えなくとも良いです。
でも、説明を読んで、アア・・・‥こんなことなんだ、と記憶の片すみに
止めておいてくださいね。
将来、知って良かった、と思えるときがくるまでは・・・・。
前回は、
この「第29条の2」を説明すると、大変長くなり、書く私以上に、
読者のあなた様がお疲れになるでしょうから、今日はここまでにします。
で終りましたので、今回は、当然「第29条の2」です。
チョッと長い条文を引用しますが、お許しください。
第29条の2
特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案
登録出願であつて当該特許出願後に第66条第3項の規定により同項各号に
掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行
若しくは出願公開又は実用新案法(昭和34年法律第123号)第14条
第3項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下
「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付
した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面
(第36条の2第2項の外国語書面出願にあつては、同条第1項の外国語
書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許
出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案
を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第1項の規定
にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の
時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが
同一の者であるときは、この限りでない。
これを読んで、意味を理解できる人は、もう読む必要がありません。
時間のムダですから、メルマガを閉じたほうが良いでしょう。
この条文の意味は、
「特許出願する前に出願されている同じ出願は、特許権が取れない。
ただし、前に出願された特許又は実用新案の出願人と、この出願の
出願人が同じときは、別だ(別の条文の制限がある)、
と言うことです。
この「ただし書き」は、出願人にとって大変嬉しいことが書いてあります。
「ただし書き」だけでも、理解しておかれると、良いですよ。
ところで、この条文、何文字あると思いますか?
それが前半で約560文字、数ヵ所の(〜〜〜)を除いても、445文字も
あります。
しかも、個の445文字が、383文字と、「ただし、〜」以下の62文字
です。
「ただし、〜」以下の62文字は、まだ良いんですが、前半の383文字が
一つの文章ですから大変です。
私は、特許明細書を書くときでも、一文200文字を限度とし、普通100
文字以下の短い文章を書くようにしています。
ただ、請求項は、例外です。
請求項は、原則として請求項ごとに1つの文章で書くことになっていますから
例え1,000文字であっても、1つの文章で書かざるを得ないのです。
でもね、句点(、)は何個使っても良いし、改行も自由ですからできるだけ
句点と改行をふんだんに使って読みやすい文章にしています。
改行は、文章のまとまりごとにするようにしています。
それでも、お客さんから「請求項の意味が分からんから説明してくれ?」と、
言われるんですよ。
ムリもないですね!
請求項は、特許権の範囲を決める重要な文章ですから、書き方次第で特許権が
取れても、穴だらけの特許になったり、取れる特許権が取れなくなったりします
から、あらん限りの文章力を使って書いていますがねぇ。
チョッと、横道にそれましたので、元に戻します。
この長〜い長い条文な上に
「〜〜〜第66条第3項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許
公報の発行若しくは出願公開又は実用新案法第14条第3項の規定により
同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報の発行がされたものの願書
に〜〜〜」
と言う97文字の文がはさまり、この97文字の中に「特許法:第66条第
3項」や「実用新案法第14条第3項」と言う言葉で、別の条文や法律が引用
されているから一層分かり難いんですね。
・・・この1文も長くなりましたが・・・
これを、改行しないで、1つの文章に書いてみますが、読む気になれますか?
この長〜い長い条文な上に「〜〜〜第66条第3項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報の発行若しくは出願公開又は実用新案法第14条第3項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報の発行がされたものの願書に〜〜〜」と言う97文字の文が入り、個の97文字の中に「特許法:第66条第3項」や「実用新案法第14条第3項」と言う言葉で、別の条文や法律が引用されといるから一層分かり難いんですね。
・・・これで203文字です・・・
条文の半分チョットでも読みたくないでしょう???
すみません、第29条の2 もう一度書きますが、条文は読まないでね。
どこの説明かを示すために書いてるんですから。
ここの説明です。
特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録
出願であつて当該特許出願後に第66条第3項の規定により同項各号に
掲げる事項を掲載した特許公報の発行若しくは出願公開又は実用新案法
第14条第3項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報の
発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは
実用新案登録請求の範囲又は図面に記載された発明又は考案と同一である
ときは、その発明については、前条第1項の規定にかかわらず、特許を
受けることができない。
ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案
登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
最初に前半の長いほうの意味です。
御社が、特許出願した発明の出願日より前に出願された他の特許と実用新案の
願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲あるいは図面に記載された発明
又は考案と同じときは、特許を受けることができない、ということです。
な〜んだ、当たり前じゃないか、と単純に考えないでください。
法律は、当たり前のことも書いてあるんです。
他人のものを盗んではいけない、人をダマシテはいけない、とも書いて
あるのが法律です。
逆読みすると、書いてないものは、やっても良い、と言うことになるんですね。
だから弁護士は、法律のウラを読んで依頼人を助けるんです。
その結果、殺人者が無罪になったり、思わぬ判決が出るんですよね。
アッ、また脱線しました。
転覆しないうちに元に戻ります。
次は、「ただし、〜〜〜」以下です。
これは、例外規定です。
ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案
登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
この「ただし、書き」を良く理解すると、
出願人にとってホントに美味しい規定なんです
この意味ですが、前に出願された特許あるいは実用新案(先願という)の
出願人と、後から出したと出願(後願という)の出願人が同一のときは、
特許を受けることができるのです。
ここで出てきた「同一」の意味を説明しておきましょう。
特許法には、優先権出願と言う出願人にとっても有利な制度がありますが、
この「同一」の意味を知っていると、出願に書き加えたいことや誤りを訂正
したいときに、かなり自由に最初の出願に書き加えられるのです。
ここ数年にわたる特許法の数回の改正により
内容に新しいことを書き加えると、「要旨変更」として、
拒絶されることになったのです。
ですから、この「同一」の意味をよく理解し、後で書く「優先権制度」の
活用を良く考えておかれると良いですよ!
「同一」の意味をご理解いただくために公式を書いてみましょう。
難しい公式ではありませんからご安心ください。
1+1=2 1−1=0 よりも簡単な 1=1 のような公式です。
特許法の解釈では
A = A =の前後のAとAは、同じで、同一ですね。
A ≠ A´ ≠の前後のAとA´は、「´」があるので、同一とは
言えません。1 ≒ 1´と書いても良いでしょう。
=ではないから、「同一」ではありませんね。
それでは、これはどうでしょうか?
A ≠ a この≠の前後のAとaは、大文字と小文字の違いが
ありますから同一とはいえないのです。
モット具体的な住所と生命を使って「同一」と言えない例を書いて
みましょう。
何れも甲が先願で、乙が後願です。
例1
甲 【出願人】 特許長太郎
【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
乙 【出願人】 特許長太郎
【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関3−4−3
郵便物なら、これで同じ人に届きますが、特許法では「同一」になり
ません。
例2
甲 【出願人】 特許長太郎
【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
乙 【出願人】 特許長太朗
【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
さて、これはどうでしょうか?
甲は、出願人の名前が「長太郎」で「郎」の字ですが、乙の出願人の
名前が「長太朗」で「郎と朗」では「同一」と言えないのです。
例3
甲 【出願人】 特許長太郎
【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
【出願人】 特許長一郎
【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関三丁目4番5号
乙 【出願人】 特許長太郎
【住所又は居所】 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
先願の甲は、特許長太郎と特許長一郎の2人の共同出願ですが、後願の
乙は特許長太郎1人の出願です。これを式で表すと 2>1 となります
から=でなく、「同一」ではありません。
これらは、特許法の「優先権主張出願」と言う最初の出願から1年以内に
利用で来る制度で、最初の出願内容を訂正したいときや、書き加えたいことが
起きたときに、かなり自由に書き加えられる出願人に取ってとっても得な制度
を利用するときに使えますから、ゼヒ覚えておいてくださいね。
アッそうそう、もう一つ「優先権主張出願」とともに出願人に有利な出願
方法があります。これも覚えておかれると良いでしょう。
公開制度と言って、特許も実新も、出願してから18ヶ月すなわち1年半
たつと公開されます。
特許出願が公開されると、先願権と言って以後その出願と同じものをマネ
ると、例えその明細書を読んでいなくとも、特許権侵害になるという制度が
あります(ただし、これは、特許権が成立しなければなりませんが)。
大企業は、この制度を利用して権利が取れなくても良いが、他者に取られ
たくない比較的簡単な発明をドシドシ出願し、審査請求もしないで放棄して
います。
しかし、この制度のもう一つの利用方法で、中小企業が使っても良い使い
方があるのです。
最初の出願から18ヶ月(未公開)以内に出願した「同一出願人の特許
出願は、先願と見なさない」と言う主旨の規定が特許法にあります。
同じ内容の特許権は、1日でも先に出願した人の権利であり、似た内容の
出願は、先願の出願より新しくて(新規性)効果のある内容、進歩(進歩性)
した内容でないと特許権が取れないのです。
しかし、「同一出願人の未公開の出願」は、この規定が適用されません。
と、言うことは、「優先権主張出願」に間に合わなくとも、
・・・1年半以内に出願できれば・・・
「優先権主張出願」にも劣らない利用価値があるということですよ。
かなり長くなりましたね、今日は、ここまでにします。
最後までお読みいただきまして有り難うございました。
このメルマガは、特許法の解説を目的とするものではありませんので、
予定した条文の説明したら打ち切りにします(メルマガは、打ち切りません)。
また、これらの説明は、出願人が知っておいたほうが、有利だと思われる
部分のみを書いています。
条文の正確な説明になっておりませんので、参考としてご理解ください。
次回も、お読みいただけることを楽しみにしております。
■■■ ポイント ■■■
● 第29条の2 「ただし書き」 大いに利用しよう。
特許法に限らず、法律は、「ただし書き」や「逆読み」できると
美味しいものがありそうだ!
・・・脱法行為を進めるものではありません・・・
● 第29条の2 「ただし書き」 「同一」の意味を理解すると
「優先権主張出願」が使えて、とっても有利です。
「同一出願人の未公開の出願」は、この規定が適用されません。
● 第29条の2 「ただし書き」 「同一」の意味を理解すると
「同一出願人の未公開出願の先願権の制限」が利用できて、
有利です。
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