ご存知ですか? 『成功体験の逆襲』

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      ご存知ですか? 『成功体験の逆襲』
 2007.01.16. bQ6 非まじめ発創塾 坂井 徳栄
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 今晩は、 非まじめ塾の坂井です。



 非まじめ塾は、不まじめではありません。本まじめです。

 『まじめ』だけでは、強い特許権を獲得できませんし、
      素晴しい発想も湧かず、特許商品を開発できません!

 もちろん、『不まじめ』では、話になりません。


 『非まじめ』に、モノゴトの『本質を観て』、発想しましょう。





 今日のタイトルは、『ご存知ですか? 「成功体験の逆襲」』です。

 なに? 『成功体験の逆襲』? それ、どういうこと?

 『成功体験の逆襲』とは、変なこと言うじゃないか、と思われたかもしれま
せんね。

 意外と、多いんですよ、これが?
 お客さんから良く聞かれるんですが、『何を開発したらいいだろう?』と。

 私…ライバルの売れている商品の改良から始めませんか?

 客…ライバルの売れている商品、そんな物あるわけないよ。

 私…じゃあ、売れる商品のないライバルは、すぐ倒産しますね?

 客…トンデモナイ、すごく経理内容の良い会社だよ。

 私…その会社は、ライバルじゃなく同業のあこがれの企業でしょう。
   そんな会社の商品を改良したら御社は叩きツブサレますよ。

 私…私の言うライバルは、御社と同等以下の会社です。

 客…同等以下の会社に売れてる商品なんかあるわけないじゃないか。

 私…ライバル会社の売れてる商品とは、ライバル会社の中心商品ですよ。

 客…アア、それならあるね。でも、モノマネじゃないかね。

 私…モノマネするのではなく、ライバル商品のアラ探しをして、
   アラを改良し、新しい機能を加えたり、使い勝手を良くするんです。
   もう一つの手は、御社の一番良く売れている商品を改良しましょう。

 客…売れてる商品を何で改良するんだ。バカなこと言うな。

 私…そんなこと言ってると、『成功体験の逆襲』にあいますょ!

 客…なにそれ! 『成功体験の逆襲』だって???



 現場の改善でも良く出る言葉ですが
     上手くいってるものは、改良するな!


 この『売れてる商品』、『上手くいってるもの』が、
    御社の『成功体験』なんです。

 この『売れてる商品』を改良しないと、とんでもないことが起こる。

 『売れてる商品』を改良するということは、ホントに恐いことです。

 上手く改良できれば、万々歳なんですが、
   一歩間違えると、『売れない商品』の開発になりかねませんし。

 でも、この『売れてる商品』を改良しないでいると、
   何れライバルが、『売れてる商品の改良商品』を投入してきます。

 その結果、御社の『売れてる商品』が、『売れない商品』に早変わりし、
御社の足を引張ることになるんですね。

 これが私の言う『成功体験の逆襲』なんです。



 今日は、この『成功体験の逆襲』になりかねない例を取上げました。


 便器と言えば、陶器でTOTOとINAXが圧倒的で、陶器製便器の
専門メーカーです。

 陶器製便器、一本やりで成功してきた成功体験を持つこの2社にとって、
陶器製以外の便器は考えられませんでした。

 一方、陶器製便器で第3位の松下電工は、この2強に大きく水を空けられ、
何年たっても追いつくことができません。

 松下電工としては、便器を陶器製にこだわっていては、この2強に追いつき
追い越し、2社の便器との違いを出せなければ、永久に勝てない、と考えた
ようです。



 それでは、2強の陶器製便器との違いを出すには、どうしたら良いで
しょうか?

 何と言っても、お客様の要望を満たすことが、第1でしょう。

 松下電工によると、お客様の要望の50%以上は、「いつも清潔」「掃除が
しやすい」など、掃除に関する要望だそうです。

 次に考えることは、陶器製便器の欠点をなくすことでしょう。

 陶器製便器の欠点は、使っていると徐々に黄ばんできることと、
製品精度が出せないと言う2点のようです。

 この2つの陶器製便器の欠点は、便器を陶器で作る限り避けられない欠点。


 陶器専業のTOTOとINAXには、陶器製便器以外は検討の余地が
なかったと思われます。

 しかし、合成樹脂や金属、木質など様々な素材を製品に使っている松下電工
としては、陶器製便器の素材として何を使っても良いという下地そのものがあり
ました。

 それでも、便器は陶器製という思い込みを簡単にぬぐうことができなかったと
思われます。





 それでは、ナゼ、松下電工が、ここまで便器は陶器製の改良にこだわった
のでしょうか?

 理由は、いたって簡単です。
 タンクレストイレ市場の急成長ですね。

 タンクレストイレは、2000年の登場以来、市場が急成長を続け、今後も
この成長が続きそうだということです。

 マネシタ電器とヤユされた松下幸之助の教えを守る松下電工が、この甘くて
美味しい陶器製便器市場を手をこまねいて見過ごすはずがありません。

 また、TOTOとINAXと言う2強との差をつめられなければ、将来、
陶器製便器市場から追い出される危険があるという強迫観念もあったのでは
ありませんか?



 理由は、ともかく、松下電工は陶器製便器に素材革命を起こしたのです。

 それは、2006年12月1日より受注開始した、有機ガラス系の新素材を
使用した便器『ブラシを使った掃除が約3ヵ月不要の全自動おそうじ機能付き
タンクレストイレ「アラウーノ」』です。

 以下、長いですが、日経ネットからの引用です。
 ⇒ http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=143545&lindID=6
 松下電工 ⇒ http://national.jp/sumai/toilet/index.html

.....<引用開始>.....


 松下電工株式会社
 有機ガラス系新素材と新洗浄方式が流すたびに便器を掃除
           全自動おそうじトイレ「アラウーノ」新発売

 松下電工株式会社は、汚れをはじく有機ガラス系の新素材を便器に採用。

水の中に気泡を含ませた「激落ちバブル」と、便器内に水を勢い良く洗浄させる
「スパイラル水流」といった新洗浄方式と併せることで、ブラシを使った掃除が
約3ヵ月不要の全自動おそうじ機能付きタンクレストイレ「アラウーノ」を
2006年12月1日より受注開始します。

■主な特長

(1)有機ガラス系新素材、新洗浄方式でブラシ掃除が3ヶ月不要
(2)業界No.1節水(洗浄水量5.7リットル/回)&節電
(3)新素材だから実現できた、サウンド&照明機能と
               深澤直人氏の画期的なデザイン

■開発背景

 近年、タンクレストイレの人気が伸び、ここ4年間でほぼ4倍の市場規模と
なっています(当社調べ)。また、タンクレストイレを選ぶ際の重点項目と
しては、「いつも清潔」「掃除がしやすい」など、掃除に関する要望が50%
以上にのぼり、何れも上位を占めました。

 そこで当社は、トイレの素材として通常使われている陶器では、水垢が付着
しやすい性質があるため、代わりに汚れが付きにくく、付いても落としやすい
有機ガラス系素材に着目し、便器の素材として採用しました。さらに、水を流す
度に、自動で便器を洗浄できる新洗浄方式も加え、掃除性能を大幅に向上。

 「内も外も掃除の負担を軽減」したトイレを実現しました。
 陶器に比べ成型の自由度が増す上、軽いという有機ガラスの特長を生かし、
デザイン面や施工面でも様々な配慮を行ないました。

■ 特長

 (1)有機ガラス系新素材、新洗浄方式でブラシ掃除が3ヶ月不要

 <汚れが付きにくい>

● 汚れをはじく、有機ガラス系新素材を開発
 従来、トイレの素材として使われている「陶器」は、汚れやヌメリ、黒ズミの
原因となる水垢が付着しやすいという弱点がありました。
 そこで「アラウーノ」では、水垢が付着しにくく、付いても落としやすい
有機ガラス系の新素材を採用。この素材は、水族館の巨大水槽などにも採用
されている耐久性に優れた素材であり、耐変色性にも非常に優れ、当社基準に
基づく20年相当の変色試験でも、ほとんど変色しませんでした。

●新洗浄方式「激落ちバブル」を開発
 水の中に気泡を含ませた新洗浄方式。水を流す際、直径約5mmの微細な
気泡と、市販の食器用中性洗剤からつくる洗剤を含んだ直径660μmの
2段階の泡を使うことで、大小の汚れをすみずみまで掃除し、便器の美観を
保ちます。

●少量の水でパワフルに洗浄「スパイラル水流」
当社従来品に比べ、水流を勢いよく旋回し、汚れをきれいに流し去ります。

<掃除しやすい>
成形しやすい有機ガラス系新素材の特長を生かし、当社従来品では20mm
あった便座と便器の隙間をわずか5mmにすることで、掃除のしにくかった
便座と便器を完全一体化にしてゴミが入り込む隙間を極力減らしました。
また、掃除しにくかった便器のフチ裏もなくし、拭き掃除のしやすい形状を実現
しました。

.....<引用終了>.....



 もし、この便器をTOTOとINAXのどちらかの会社が先に開発し、
開発した会社との格差が益々広がり、将来、松下電工が、陶器製便器市場から
撤退と言うか、振り落とされることだって考えられるわけです。

 TOTOとINAXの2強は、陶器製便器の『成功体験の逆襲』を受ける
ことになるのではないでしょうか。

 当然、TOTOとINAXの2強は、陶器製便器あるいは他の素材による
便器の開発で巻き返しを計ってくることでしょう。



 今日の『ご存知ですか? 「成功体験の逆襲」』を『他山の石』として
御社も、ライバル会社(御社と同等以下の力の会社)の商品と、
    御社の商品を、再度、見直してください。

 あくまでも、ライバル会社は御社と同等以下の力の会社を選んでください。
 決して、御社より力の強い会社の商品を改良してはなりません。

 御社より力の強い会社の商品を改良すれば、改良されたライバル会社は、
   御社に徹底的に戦いを挑んできて、
   御社を叩きツブスまで戦いを止めないことでしょう。



 私がおすすめする商品開発の第一歩は、
   御社の重要度上位20%の商品の改良から始めることです。

 第二歩目は、御社と同等以下の力のライバル会社の商品の開発。
 これを続ければ、御社に力がつき、ライバル会社のレベルを切り上げていく
ことになります。

 第三歩目は、御社の販売ルートを使って売れる商品で、
   市場にない画期的な商品の開発です。・・・ムツカシイですが。



 今売れている商品があるから商品開発は、ストップだ、と言う考えだと
   何時、『成功体験の逆襲』を受けるか分りません。

 将来のために、明日のために
        如何なるときでも常に
        新商品の開発を続けましょう。





 今日の「ご存知ですか? 『成功体験の逆襲』」
     如何でしたか?

   大企業の例だ、参考にならない! なんて考えないで下さいね。

 安泰だと思われる大企業でさえこうなんです。

 同じようなことが、形を変えて
   何時、御社を襲ってくるか分りません。


 将来のために、明日のために
        如何なるときでも常に
        新商品の開発を続けましょう。




■■■ ポイント ■■■

● 『成功体験』は、商品開発のジャマになることもある

● 商品開発の第一歩は
  御社の重要度上位20%の商品の改良から始める

  第二歩目は、御社と同等以下の力のライバル会社の商品の開発。


● 基本は、やはり
   1. 『観る』………何を『観る』か
   2. 『目的の追求・展開』 そして
   3. 『目的達成手段の組合わせ』
  この3つが、基本です。

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 最後までお付き合いいただきまして
   本当に有り難うご座いました。
 次回も、お読みいただけることを楽しみにしております。
     有り難うご座いました。


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