特許 進化論  ハエ叩き編(1)

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  特許 進化論 ・・・ 特許も技術も進化する
          ・・・ハエ叩き編(1)・・・
  2006.8.30. bP3   まじめ発創塾 坂井 徳栄
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 今日からシリーズ(1)〜(3):『はえ叩き』編です。

 表現が露骨で恐縮なんですが、
     特許も、技術も「後出しジャンケン」なんです。

 ライバルの特許や商品を『観て』、徹底的にアラ探しをすれば、
      必ず、改良点が見つかります。

 こうして見つかったアラを『解決する手段を組合せ』れば、
 ライバルの特許や商品より優れた特許や商品を開発できますし、ライバルの特許権に抵触しない特許や商品を得られます。



 それよりも ライバルの特許や商品を『観て』、
      徹底的に『目的を追求・展開』してください。

 ライバルの考えた『目的』と異なる『真の目的』が見つかります。
 ライバルの『目的』と異なる『真の目的』を
     『実現する手段を組合せ』れば、
     ライバルの商品と『異なる商品』を開発できるのです。


 例え、ライバルの考えた『目的』と『同じ目的』であっても、
      『違う手段の組合せで実現』できれば、
            ライバルと『違う商品』になります。


 こうして開発した商品は、
 ライバル商品の『特許権』を侵害しないことが多いのです。


 例えば、私が、【非まじめ発創:出願準備】編に
例題として書いた『遠赤外線治療具』は、
A社の『医療用添付剤』の要素(特許では構成という)である
『金属箔』の『目的を追求』し、この『金属箔』の『目的』を
変更し、『変更した目的を実現するための手段を組み替え』た
ものにすぎません。

 こうして、『目的実現手段を組み替え』れば、当然、『目的実現
手段』が違ってきますし、『効果』も違ってきて、従来とは違った
新しい商品になります。

 そして、従来とは違った『新しい効果』が得られます。
 その結果、特許権が取れる内容になるのです。





 と言ったわけで、 ライバルの特許権や商品を見たら、
          先ず始めに、徹底的に『観る』ことです。

 次に、徹底的に『目的を追求・展開』してください。

 『観て』、『目的を追求・展開』したら
 これらの『目的を達成する手段を組み替え』てください。

 これだけのことで、
 ライバルの特許権を侵害せずに、ライバルの特許や商品よりも
    優れた特許権が得られる、素晴しい商品を開発できます。






 能書きは、これくらいにして具体例で検討してみましょう。

 江戸時代の俳人:小林一茶(1763〜 1827年)が、
     『やれ打つな蠅が手を摺り足をする』
と詠んでいますから、当時既に『ハエ叩き』があったことでしょう。

 私が子供の頃、と言っても既に50年は経っていますが、
マス目が1ミリくらいの金網でできたハエ叩き本体に50〜60
cmの柄をつけたハエ叩きがありました。

 当時も江戸時代と同様、人糞を肥料として畑にまいていましたから、食事時になるとハエがワンサカ集まってきたものです。

 当然、ハエ叩きで叩くわけですが、あの柔かいハエを思い切り
叩こうものならグチャグチャにつぶれ後始末が大変なんです。

 手加減すれば逃げられますから、うまく叩くのは意外と難しいん
ですね。



 叩いたハエを指先でつまんで集め、古新聞に包んでゴミ入れに
捨てていました。

 食事中でも平気で手でつまんでいたんですから今の若い女性が
聞いたら卒倒するかもしれませんね。



 このようにハエ叩きで叩いたハエを手で触れずに集める方法を
考えて見ましょう。

 これが、商品開発の第一歩です。
 先願さえなければ、これで特許が取れるんですよ。

 但し、今回のメルマガで検討したものは、既に出願されている
ものと思われますから、考え方を身に付けてください。

 そして、この考え方は、強い特許権を取るためと、モノマネされ
ないための事前準備の考え方の練習に生かしてください。





 50年前のハエ取り具にどんなものがあったか? を思い出して
みましょう。

 先ず最初に思い出したもの。
 それは、直径が20センチくらいで、高さも20センチくらいの
酒瓶に似た形のハエ取り器です。

 酒瓶は、ご存知のとおり底の中央が高くなっていますが、この
ハエ取り器も底の中央が高く、中央には孔が開けられていました。

 このハエ取り器の底の部分に水を入れ、上端の開口に栓をして
放置しておくと、底の中央の孔から入ったハエは、入った孔から
簡単に逃げ出せず、このハエ取り器の中を飛びまわっているうちに疲れ果て、底の外周の水に落ちて死ぬのです。

 ハエの死骸が溜まってきたらハエ取り器の栓を開け、水と一緒にハエの死骸を捨てていました。

 このハエ取り器は、ハエの死骸に触らずに処理できるのです。

 このハエ取り器、ハエ叩きに利用する手はないでしょうか?
 チョット無理のようですから次に行きましょう。



 今でも形を変えて利用されているものにハエ取りリボンが
ありました(今でも売られているかもしれませんね)。

 このリボンは、両面に粘着剤が塗られた幅4〜5センチのテープ
が、筒の中に収められていて、筒をつかんでテープの端を引っ張る構造になっていました。

 テープの先には、画鋲が取り付けられていて、天井から吊るせるものでした。

 こうして天井から吊るしたテープに、空中を飛び回っているハエ
がくっつくと、逃げられないのです。

 ハエが沢山くっついたリボンを、天井から外して捨てていました。



 このハエ取りリボン、ハエ叩きと組合わせられないでしょうか?

 検討を始める前に『特許電子図書館』で特許調査したところ、
平成2年に公開された実用新案がありました。


 実開平2-29279号の『はえ叩き』です。

 『実用新案登録請求の範囲』には、
 矩形状の天板には多数の小孔を穿設し、上面には長手方向に二本のゴムバンドを配列し、下面には粘着剤を塗布すると共に該下面の周縁に弾性体の座板を周設し、前記粘着剤の表面には剥離紙を貼着して成る捕獲具を叩き部に着脱自在に係着して成るはえ叩き。
とありました。

 これは、弁理士が書いた明細書で、大変分りつらい表現になっておりますので、簡単に解説しましょう。


 『解説』

 (シート状の)捕獲具の上面に二本のバンドを取り付けると共に
下面に粘着剤を塗布し、この粘着剤の表面に剥離紙を貼りつける。
 この捕獲具には、多数の小孔を開けると共に下面の周りに弾性体でできた座板を取り付ける。
 上記捕獲具を網状の叩き部に着脱自在に取付けたはえ叩き。

 と言うことです。


 さらに分りやすく言えば、粘着剤を塗布した多数の孔開きシート
の上面に二本のバンドを取りつけることにより網状の叩き部に着脱自在に取付けたはえ叩き、と言うことですから、市販のはえ叩きにガムテープを取り換え自由に取付けたようなものです。

 こんなはえ叩きで、ハエを叩くと、ハエの死骸に触らなくとも
良いのですが、空気抵抗が大きくなってハエを叩きつらいことで
しょうね?



 何は、ともあれ、はえ取りリボンと同じ機能を持った粘着シート
付のはえ叩きが既にあるわけですから単に粘着シートを取付けた
だけでは、特許権が取れそうにありません。

 どんな案が出るか、考えて見ましょう。
 良い案が出そうになかったら止めましょうね。



 はえ叩き部に一枚づつ取れるように粘着シートを重ねて取付け
たらどうでしょうか?

 ウーン! これだとはえ叩き部が重くて、ハエを叩いても逃げ
られそうですね。


 それじゃぁ〜 柄のどこかに粘着シートをくるくる巻きつけ、
必要に応じてその粘着テープを千切るかめくってハエの死骸を
くっつけて捨てたらどうでしょうか?

 これならハエを叩く邪魔にならず、さっきの出願とは考え方も
違いますから権利が取れそうです。

 粘着シートの取付け方にもよりますが、今一、ピンときません。


 ここまで考えても良い案が出ないならこの考え方をボツにするか、時間をおいて再挑戦したほうが良さそうです。

 でもね、ゴキブリ取りに転換する手もあるんですよ。
 新商品は、何もはえ叩きにこだわる必要がないんですね。

 良い見本が『ゴキブリホイホイ』じゃないですか。

 『ゴキブリホイホイ』は、粘着シートと、ゴキブリの好きな餌の
組合わせですよね。

 何でしたらはえの好きな餌と組合わせると、思わぬヒット商品に
なるかも知れません。

 新商品開発に必要なのは、思考の柔軟さ、非まじめさなんです。



 話を戻しましょう。

 今までは、ハエの死骸を紙に包んで捨てることもあったのですが、ハエの死骸の片側に紙の端を床にピッタリ付け、死骸の反対側からマッチ棒や紙で押して床に付けた紙の上に乗せることもありました。


 この考え、応用できませんかねぇ!

 そうだ、ヘラをつければいいんだ。
 そのヘラをスコップ状にすればモット取りやすい。

 でも、ハエの死骸をすくいやすいヘラやスコップの幅は何センチ
くらいかな。

 ン〜!・・・2センチ、少し狭そうだ。
 3センチ、5センチ、これだけの幅のヘラやスコップでは、柄の
幅から飛び出してしまい邪魔になりそうだな。

 と言うことは、ヘラやスコップの案もあまり良くないと言うこと
かな?




 今日は、あまり冴えた案が生まれなかったな。
 ここまでにして、次回にしよう。



 たかがはえ叩き、されどはえ叩き!

 次回以降が重要なんです。
 バカバカしいからもう読まない。

 それも結構ですが、それでは、特許商品の開発もできませんし、
特許権の模倣防止対策も身につきません。


 書き始めたからには、
 あなたに、なるほどと思っていただける内容に仕上げますから
      今しばらくお付き合いください。

 必ず、読み続けて良かったというものをご提供します。


 今回は、3回シリーズで、特に3回目に重要な
     特許権強化策と、模倣防止対策を
書く予定です。

     どうぞ、ご期待ください・・・!





 この『非まじめメルマガ』は、
 マネられないための、例え、マネられても製造を中止させられる
強い特許権を取るためには、『事前準備』が如何に重要かをご理解頂くために書いております。



 大変重要なことが書かれております。

 できることなら何回も読み返してご理解ください。



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■■■ ポイント ■■■

● 現場改善でよく言われることですが、
       何といっても『観る』ことから始まります。
● 『観て』一つのアイデアが生まれても、
       それだけで納得してはいけません。
● 生まれたアイデアをベースに他のアイデアを追求して下さい。

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