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●◎●◎● 非まじめ・メールマガジン ●◎●◎●
特許 進化論 ・・・ 特許も技術も進化する(2)
・・・ メガネ編 ・・・
2006.8.21. bP2 まじめ発創塾 坂井 徳栄
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前回は、
特許 進化論 ・・・ 特許も技術も進化する(1) で
自転車の歴史を大まかに振り返ってみました。
さらに詳しく見たい方は、次のURLからお入り下さい。
http://www.cycle-info.bpaj.or.jp/japanese/history/nenpyo_tate.html
最初の自転車は、直列に並べられた2つの車輪の間にサドルを
設け、このサドルにまたがって地面を足でけるものでした。
次の発明は、前回の「非まじめ・メールマガジン」では省略した
のですが、前輪の左右にペダルと言う新しい要素(特許では、
構成と言います)を取り付けたものでした。
何時の世でも人はスピードに憧れます。
スピードを求めて後輪の4倍以上の直径の前輪を持つ自転車が
発明されました。
サドルは、前輪の上部に付けられ、前輪軸に取りつけられた
ペダルを回すものですから大変不安定な自転車でした。
続いて発明された自転車は、ペダルと後輪の車軸に『チェーン』
と言う要素を取付け、安全性を高めたものでした。
ペダルは、前後輪の中間に設けた大きな歯車に取り付けられ、
この大歯車と、後輪軸の小歯車にチェーンが連結されていました。
続いて登場したのが、自転車タイヤ。タイヤは当然新要素です。
続いて、フリーホイルと言う新要素を加えた自転車の登場で、
現代自転車の原型が出来上がったわけです。
前回のメルマガでは、特許は『後出しジャンケンだ』と言いまし
たが、『後出しジャンケン』の条件として『従来より効果のある
新しい要素を付加える』必要があるのです。
効果は、使いよさでも、スピードでも、安全性でも何でも良いの
ですよ。
『ラジカセ』は『ラジオと、カセットテープと、スイッチと、
リード線』を1つの過去に収めたものですね。
スイッチ操作一つでラジオを聞いたり、カセットを聞いたり
できると言う新しさです。
組合わせの新しさです。
それでは、ホームページの『特許の本質』で取上げた『複写機』
にどんな『新しい要素』があったでしょうか?
分りますか?
複写機は、
1) コピーしたい原稿に光源から光線を当てます。
2) この感光ドラムに電圧器(低電圧)で電圧(静電気)をかけ、
感光ドラムの近くにトナー(炭素の微粉末)をおくと、トナーは
静電気に吸い寄せられて感光ドラムの表面にくっつきます。
3) こうしてトナーがくっついた感光ドラムの近くにもう一つの
電圧器をおいて高電圧ををかけ、感光ドラムと電圧器(高電圧)の
間にコピー用紙をはさみますと、感光ドラムの表面のトナーが
コピー用紙の表面に吸いついてくっつきます。
4) このトナーで映像が描かれたコピー用紙を加熱器(定着器)で高温加熱(150度程度)しますと、トナーは溶けてトナー用紙の
繊維と密着し、原紙の映像が複写されます。
以上が、コピー機の大雑把な原理でしたね。
1)〜4)のそれぞれの技術は、1937年(昭和12年)当時、
既にいろいろな業界で使われ、既に知られていた周知の技術でした。
知られていなかった点は、1)〜4)の技術の組合せ方です。
1)〜4)の技術の新しい組み合わせだ
という考え方が特許権なのです。
と言いました。
と言うことは、特許権は、
1.『新要素を付加えることで従来より効果を得られたもの』
2.『技術を組合せ直すことで従来より効果を得られたもの』
と言うことになります。
この度は、メガネの大まかな歴史で振り返ってみましょう。
メガネと言えば、レンズ
レンズと言う観点から後半に顕微鏡も触れました。
メガネと言えば、レンズなしでは話が進みませんので先ずレンズ
から。
レンズ自体は、今から2300年程前、インドやバビロニア、エジ
プト、ロ−マ、中国にはすでに水晶やガラスで作った凸レンズが
あったようです。
しかし、メガネとして歴史に登場してくるのは、13世紀の
終わり頃です。
誰が発明したかは、分りませんが、13世紀の終わり頃、老眼用
に凸レンズを使ったメガネが、イタリアで発明されました。
メガネと言うと2枚のレンズを思い起こしますが、当初のメガ
ネは、レンズが一つの、虫メガネ形でした。
老眼の教会の牧師がこの虫メガネ形のレンズの柄を手で持って
聖書を読んでいたようです。
私も、虫メガネで字引を見ることがありますが、長い文章は大変
読みづらいです。
当然、メガネは、二つの虫メガネの柄をくっつけた形になり、
メガネを手で持つか、鼻の上にのせて見ることになります。
手で持てば、手がふさがり、鼻にのせればずり落ちます。
材料は、ガラスや水晶や緑柱石などを手で磨いて凸レンズをつくり、鉄や真鋳、動物の骨、皮、木などで作った枠(フレ−ム)に嵌めました。
13世紀頃には、ガラス製作技術が大変進歩し、レンズの材料は、ほとんどガラスに代わりました。
1448年、グーテンベルクの印刷術の発明により本を大量に
印刷できるようになり、読書層が広がってメガネの需要が急増する一方、メガネを作る職人も増えました。
イタリアのガラス職人たちは、ヨーロッパ各地でガラスをつくり
始めると共にメガネの分業生産による量産ができるようになりました。
当時のメガネは、凸レンズによる老眼鏡だけでしたが、16世紀
の初頭には、凹レンズによる近視用メガネが発明されたました。
続いて、現代のつるつきメガネの先祖である頭の後ろで結ぶ形のメガネが発明され、さらに改良されて紐で耳にかけるタイプへと
発展しました。
1730年ころになると、ロンドンの眼鏡屋が今のメガネの原型
であるハガネで作られたつるつきメガネを発明しました。
つるについた丸い輪が、バネのように頭を挟み込む仕掛けに
なっていました。
例えば、1760年ごろ、アメリカの政治家のベンジャミン・
フランクリンは、凹レンズと凸レンズを合わせて1つのメガネに
はめ込み使っていました。
遠くも近くもよく見える二重焦点メガネすなわち遠近両用メガネ
を考え出したのです。
1793年にトーマス・ヤングが、乱視を発見し、間もなく、
乱視用の円柱レンズも発明されました。
1830年ごろ、イギリスのハーシェルが、コンタクトレンズを
発明しました。
約100年後の1928年、ドイツのハイネが、実際に使える
コンタクトレンズを作りました。
以上が、メガネの大まかな歴史ですが、メガネにつき物のレンズ
は、一方では顕微鏡へと発展していきます。
1枚のレンズでできた虫メガネは、13世紀末にはイタリアで
すでにありましたが、顕微鏡らしきものは16世紀後半に発明され
ました。
イギリスのディジェスが1571年、オランダのメガネ師のヤン
セン親子が1590年顕微鏡を発明しました。
ヤンセン親子の顕微鏡は、長さ約45cm、胴の直径約5cmの
単式顕微鏡でした。
1637年には、デカルトがその著書「光学」に、顕微鏡の図と
その説明を載せています。
オランダのレーウェンフック(1632〜1723年)は曲率の
大きなガラス球で凸レンズを作り、レンズの焦点を調節できる単式
顕微鏡を発明しました。
なんと倍率が約270倍以上あり、1.4μm(1000分の
1.4mm)の物も見えたそうです。
1827年、イギリスの植物学者ロバート・ブラウン(1773
〜1858)は、レンズが交換でき、12倍〜480倍までの倍率
をだせる単レンズの「単式顕微鏡」でした。
1857年、2つの光学要素、対物レンズと接眼レンズから成る複式顕微鏡が発明されました。
1872年、エルンスト・アッベは顕微鏡の結像に関する波動
理論を構築しました。
正弦条件に関する式で、あらかじめ決めた性能仕様に沿って
顕微鏡対物レンズを設計するための理論的原理だそうです。
顕微鏡の理論的原理ができても、この理論を実践するための
ガラスが開発されておりませんでした。
1886年、ツァイスが新種のガラスを発明した結果、補正接眼
レンズと組み合わせることにより、設計を複雑にしないで、視野
全体から色収差をなくする新タイプの顕微鏡対物レンズが開発されました。
この新種のガラスによりアッベの波動理論と正弦条件が、実現
できたのです。
しかし、光学顕微鏡の解像度の限界は、青い光線の波長である
約400nm位だそうで・・・。
原子の大きさのレベル0.1nmまで見るため、透過型電子
顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)、さらに、走査型トンネル
電子顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)など様々な電子
顕微鏡が発明されました。
1枚のレンズからメガネと顕微鏡の歴史を簡単に振り返って
みました。
1枚のレンズに枠を嵌め、柄を取付けてメガネができました。
枠と柄と言う要素が加わったわけですね。
この柄付メガネを2つ合せてすなわち2つのレンズを組合わせて
∞型のメガネの出来上がりです。
柄を紐にして頭の後ろで結んだり、耳にかけて、両手を開放し、
さらに、紐を現代のメガネのつるのように改良しました。
老眼用の凸レンズのメガネに加え近視用の凹レンズのメガネが
発明され、更に進んで二重焦点すなわち遠近両用メガネから乱視用の円柱型レンズも開発されました。
メガネの進歩は、これで終わりませんでした。
顔の前にかけるメガネから眼の中に入れるメガネ、コンタクト
レンズの開発です
以上、メガネは、レンズの並列使用ですが、レンズを直列に並べ
たのが、望遠鏡と顕微鏡です。
ここでは、顕微鏡の歴史を振り返ってみました。
メガネと、望遠鏡や顕微鏡の違いは、レンズを並列に使ったか、
直列に使ったか、すなわち、『レンズの組合わせ方』の違いに
過ぎません。
でも、『レンズの組合わせ方』が違えば、『効果』も違うから
発明なんです。
先にお話したとおり、特許権は、
1.『新要素を付加えることで従来より効果を得られたもの』
2.『技術を組合せ直すことで従来より効果を得られたもの』
と言うことなんです。
従って、『新要素を加える』か、『組合せ方を変える』ことで
『今までなかったあるいは今まで以上の効果』が得られれば、
特許権が取れると言うことです。
言葉を変えると、
特許も、技術も「後出しジャンケン」です。
特許も、技術も後から出す方が、有利なわけですから、先ずは、
「観て」、「目的を追求・展開し」、「目的達成手段を組合せ」れば、
絶対勝てるんです。
重要なので繰返します。
前にご紹介したキャノンの知的財産部を見習って
事前準備を徹底することです。
マネられたら裁判で叩き潰せる広くて強い内容の特許権を取ること
が重要なんです。
実施例が一つしかない特許の丸投げ出願は、絶対止めましょう。
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■■■ ポイント ■■■
● 特許権は、
1.『新要素を付加えることで従来より効果を得られたもの』
2.『技術を組合せ直すことで従来より効果を得られたもの』
● 特許も、技術も「後出しジャンケン」、後から出す方が有利だ!
● 『観て』『目的を追求・展開』し、
『目的実現手段を組み合せ』よう!
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