ナゼ キャノンが、中古インクタンクの裁判で勝てたか?

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ナゼ キャノンが、中古インクタンクの裁判で勝てたか?
2006.7.18. bP0   まじめ発創塾 坂井 徳栄
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今日の『非まじめメルマガ』は、
マネられないための、例え、マネられても製造を停止させられる
強い特許権を取るためには、『事前準備』が如何に重要かを
ご理解頂くために書いたものです。


今日は、
『ナゼ、キャノンがリサイクル・インクタンクの
控訴審で勝てたのか?』 特許q3278410号

その原因を考えてみたいと思います。
ここで私は、法律論を書く気持ちはまったくありません。
法律上の解説を知りたい方は、インターネットでお調べください。
弁理士の諸先生方が、様々マ考えを書いておられますから・・・!

ここで私が、お話することは、
特許を出願する際の『弁理士に依頼する前の出願準備』
の重要性についてです。



ご存知のとおり商品は、工場から出荷され、何件かの問屋を得て
消費者に渡るのが一般的ですね。


例えば、テレビですが、普通メーカーの工場から問屋という流通
経路に出荷され、転売を重ねられて一般消費者に渡ります。


あるいは、あなたの今乗っている自動車は、自動車会社から
新車を買ったものでしょう。
この新車も2〜3年あるいはそれ以上乗ったら買い換えでしょう。

あなたは、この2〜3年しか乗らない車を廃車しますか?
廃車する訳ないでしょう。

下取りに出すなどして直接あるいは間接的に第三者に譲りますよね。



これらのテレビや自動車には、必ずと言ってよいくらい何らかの
特許権や意匠権があります。

もし、特許権者あるいは意匠権者が、特許権や意匠権をたてに
転売を差し止めたらどうなるでしょうか?

こんなことをしたら商品の流通が大混乱で、一番困るのが
メーカーでしょうから、あり得ない話のですが・・・



法律家は、これを次のように理屈をつけて説明しています。

特許権や意匠権は、『メーカーから流通経路に渡った段階で用い
尽くされ、第三者への転売は自由だ(用尽説と言われています)』
と説明しています。

もし、特許権や意匠権が、その後も権利者に権利が残って
いたら、仕入れたテレビや自動車を販売できませんし、仕入れる
たびに権利者から使用許可をもらわなければならなくなります。

これでは、商売ができませんよね。

また、買った自動車を下取りに出したり、第三者に譲り渡すことも
できません。

これでは、自由主義経済が破綻してしまいますよね。





ところがですよ、最初に申し上げたキャノン(株)の
『インクタンク裁判』は、これまでの常識をひっくり返して
しまったんですから大騒ぎになっているんです。


ここで問題にしている『インクタンク裁判』は、キャノン製
プリンターの『インクカートリッジ』なんです。

この裁判は、キャノンがリサイクル・アシストを訴えた裁判で、
今年の1月31日に、知的財産権高等裁判所の大合議判決
(知財高裁平成17(ネ)10021)が出た『インクタンク事件』です。


この『インクタンク』は、使い捨てなんですが、リサイクル業者が
使用済みインクタンクを回収し、洗浄した後インクを補充して再度
販売したインクタンクが、キャノンの特許権に触れるとして訴えた
んです。





明細書を見ると、キャノンの知的財産部の周到な出願準備が
伺えるのです。

キャノンの知的財産部の『周到な出願準備』がなければ、
弁理士がどう頑張っても明細書にここまで書き込めなかったであろうと思われます。



先ず初めに目に付くのは、『発明の名称』です。

『液体収納容器、該容器の製造方法、該容器のパッケージ、
該容器と記録ヘッドとを一体化したインクジェットヘッド
カートリッジ及び記録装置』

これが『発明の名称』です。
名称が幾つ並んでいるか、数えてください。

1) 液体収納容器、 2) 該容器の製造方法、 3) 該容器の
パッケージ、 4) 該容器と記録ヘッドとを一体化したインク
ジェットヘッドカートリッジ及び 5) 記録装置。

5つもの発明を1本の特許出願でやっちまったんです。


普通、弁理士は、ここまで『発明の名称』を書きません。
普通1つで、精々2つか3つでしょう。

キャノンの知的財産部の周到な出願準備と、その準備による
指示により、弁理士も精一杯頑張って書いたものと思われます。



次に驚くことは、『請求項』の多さです。

なんと『請求項』が15もあり、しかも『独立項(独立した
請求項)』が15もあるんです。

と言うことは、『模倣されそうなことは、徹底的に予測を立てて
事前に手を打っている』と言うことです。

当然、リサイクル品の登場も予測して事前に対策を打っていると
言うことです。

流石(さすが)と言うか、流石(りゅうせき)と言うか、流石
(流れ石)と言うか・・・???

キャノンの知的財産権でなければできない周到な事前準備です。







驚きは、まだまだ続きます。

『詳細な説明』が16ページ(40文字×50行/1頁)もあるん
です。



その上図が15図です。
図9、10,11なんか図9a〜9fのように実に細かく検討して
いますから、合計40図はあるでしょうね



出願経費はどれくらいかかったでしょうか?

発明の名称が5個、『請求項』が15項、『詳細な説明』が16
ページ、図面が15図(細かく分けると約40図)もありますから
50〜60万円の出願経費がかかっているでしょうかね・・・?

キャノンにとって、これが100万円でも良いんです。

と言うのは、このインクタンクを使った商品(何種類もプリンター
を販売しています)の売り上げが、どれくらいあるでしょう?

何千万、何億、何十億・・・・・???

その売り上げから見たら、出願経費の50〜60万円は微々たる
物です。


それよりも、マネられたら裁判で叩き潰せる広くて強い内容の
特許権を取ることのほうが重要なんです。

そのために、キャノンの知的財産部は、事前準備を徹底するんです。



発明の名称のアイデアを考えたのは、キャノンの知的財産部で、
このアイデアを元に具体化したのが弁理士でしょう。

明細書の基本構想を考えたのもキャノンの知的財産部だと思います。

キャノンの知的財産部の徹底した事前準備があったから、
これだけの明細書を弁理士が書けたのです。



もし、キャノンの知的財産部が、この出願を『弁理士に丸投げ』
していたら、これだけ濃い内容の特許権は取れなかったし、
今回の裁判でも勝てなかったでしょうね。




しかし、中小企業が、これだけのことをやろうとしても無理で
しょうね。

なぜか?

1.キャノンの知的財産部員のような特許に詳しい人材を育成
できないこと、

2.キャノンの知的財産部並の事前準備を外部に委託する費用を
まかなえないこと、

3.弁理士を使いこなせるだけの知識を持った人材が居ないこと、

などがあげられます。


それでは、中小企業は、『特許権を強く、広くできる事前準備を
あきらめなければならないのでしょうか?』

そんなことは、ありませんよ。
大丈夫、手はあります。
最初から、キャノンの知的財産部と同程度の『事前準備』はムリで
しょうが、簡単で、かなり強烈でな方法があります。





  私が、今まとめている
    『マネられないための事前準備』
    を読んで、やり方を身に付けてください。


今まで、あなたが取った特許権と雲泥の差がある強くて広い
特許権が取れます。




どうぞ、ご期待ください。
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キャノンのプリンター用インクタンクの特許公報に興味がある方は、特許電子図書館 ⇒ http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl
(無料)から、『公報テキスト検索』をクリックし、
    特許公開q謔Q000−33715号または
    特許q謔R278410号を入力してください。

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■■■ ポイント ■■■

● 特許権をマネられたくなかったら『徹底した事前準備』を!
● 『出願前の事前準備』の第一歩は、特許調査から!
● 『事前準備』ナシの『丸投げ出願』は、自殺行為だ!

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 待ってま〜す・・・!

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