事例1.郵政公社も使っている『宅配便の送り状』

 具体例として

 郵政公社も使っている『宅配便の送り状』で説明しましょう。



 事例1. 「宅配便の送り状(合成樹脂製袋)」:東京地裁


 東京地裁で争われた「宅配便の送り状(合成樹脂製袋)」です。

 始めに図を見てください。

 この送り状は、今では、郵政公社も、クロネコも、佐川も、ペリカンも・・・宅急便業者は、皆使っているお馴染の送り状です。

  図1  送り状1枚.gif   図2  送り状2枚.gif



 郵政公社を始め、今、使われているほとんどの宅配便用送り状の形式です。



 大変固い文章で恐縮ですが、判決文の引用なのでお許し下さい。

 要旨では、『接着剤の塗布面を被覆する剥離紙の構造について、「裏側フィルムにはその下面の両端部に感圧接着剤が帯状の形で塗布してあって、この接着剤面は剥離紙で拝合被覆される。」・・・

 この「拝合」の「拝」両手を合わせて手を上げる礼を意味し、「合」は一つになる、一致する意味を有するから、・・・「剥離紙」は、感圧接着剤を塗布した裏側フィルム全面と同形同大の1枚の剥離紙をいい、剥離紙が2枚のものを含まない・・・』と判決しました。



 小学校の国語教室は、もっと分かりやすいですね。

 でも、これが特許裁判なんです。



 裁判では、代理人の弁理士が、互いに相手の文章のアラ探しをやりあって、裁判官を信用させた方が勝訴なのです。

 もし出願人が、弁理士に出願を依頼する前に、剥離紙が1枚の試作品と、2枚の試作品をつくり、両方の例を説明していたなら、弁理士は「拝合」と言う表現を使わず、裁判にも勝てたでしょう。



 弁理士の仕事は、お客様から頼まれ説明された内容を如何に正確な文章で書き、特許出願するかにかかっています。

 実施例を考えて書き足すことは、時間的に大変な負担です。

 そのうえ、商品開発の才能が必要で、忙しい弁理士には対応できません。

 又、弁理士は、実施例を考えて書き足すことを本来の仕事とは考えておりません。

 それは出願人の仕事だと考えておりますから実施例の書き足しをやる訳がありません。

 裁判官もそのように考えているようです。



 一部の弁理士は、バネを弾性体など上位概念(バネもゴムもスポンジも含む広い意味)で表現し、権利範囲の拡張に努めてくれます。

 ホンの一部の弁理士だと心得ておいたほうが良さそうです。





 結論として、「自分の特許は、自分で守る」しかありません。

 弁理士に出願依頼する前に、特許出願人自身が、いろいろな条件や試作品を検討し、どんな内容の特許出願をするか検討しなければ、強くて広くかつ模倣されない特許権は取れません。

 少なくとも事前に複数の試作品を造り、この複数の試作品を依頼する弁理士に見せて説明して特許出願の方向を決めて下さい。

 少なくとも、2つ以上の実施例を書き、請求項が限定された表現にならないように気をつけてもらいましょう。





 そのためには、【まじめ発創法】で【観る】ことから始めてください。

 強いて言えば、【観りゃ〜ぁ、分る】が、【見てても分らん】と言うことです。



   【観て】 ⇒ 【目的を追求し】 ⇒ 【新しい手段を組合せる


 忘れないでくださいね!