大企業さえ 落し穴に落ちる
これは、ファスナー(マジックテープ)事件です。
この発明品は、散歩中にズボンに付いたブタ草の実をヒントに欧州で発明されたファスナーを日本の大手繊維メーカが実施権を得て商品化したものです。
大手の資本力で販売に成功したものの、販売力の弱い小さな会社であったら大問題だったことでしょう。
もっとも、外国の元の出願を日本語に翻訳したものは、やむを得ないものもありますが・・・?
図を先に見ていただきましょう。
図1は、権利者のもので一方の片には多数のJ型突起が、他方の片には多数の逆U型突起が設けられ、両者を押し付けるとJ型突起と逆U型突起が互いに絡み合うものです。
図1

図2

図3

一方、模倣品である図2は、両突起ともJ型突起であり、右側の図3は、両突起ともきのこ型突起で、使い方は全く同じです。
この事件の判決文を見てみましょう。
判決の要点「J型と逆U型の突起を備えたファスナーの権利は、J型と逆U型の突起の何れかを欠き、茸型等の突起を備えたファスナーには及ばない」としました。
J型と逆U型の突起の何れか一つを欠いただけで模倣品から合法品になってしまうのが特許権です。
このような合法品を私は合法的模倣品(造語)と言っております。
こうした合法的模倣品が出ない合法的模倣品予防対策は、特許出願の事前準備が大きなカギを握っています。
この特許出願の事前準備として「非まじめ発創」で「剥離紙」や「J型と逆U型の突起」による徹底的な「目的の追求」が大変効果的です。
「剥離紙」は、2枚に切っても「効果」が落ちません。
むしろ使い勝手が良くなります。
マジックテープの「突起の形状」は、色々組合せが考えられます。
「J型と逆U型の突起」にこだわる必要はなく、「J型同士」でも良いし「S型と組合せ」手も良いでしょう。
事前に、少なくとも2〜3点の突起の形状を検討しておけば、違う結果となったでしょう。
